アベノミクスの成果はあったか。今年の10大ニュースで検証する
アベノミクスには「消極的賛成」か                                                     Photo Getty Images

2014年も「経済」に多くの関心が集まった年だった。アベノミクスで景気は良くなるのか。日々の生活は改善するのか。株価は上昇するか。年金など社会保障の将来は大丈夫かーー。そんな疑問や不安を持って安倍晋三首相の政権運営を見守って来た人も多いに違いない。

安倍首相が「アベノミクスを問う選挙」と位置付けた12月の解散総選挙では、与党が議席の3分の2を獲得したものの、投票率は戦後最低となった。

アベノミクス十大ニュース

アベノミクスに代わる経済政策を打ち出せなかった民主党があまり議席を伸ばせず、アベノミクスに一貫して反対してきた共産党が躍進した。選挙結果は、アベノミクスは消極的賛成を得たに過ぎないと言ってもよいだろう。それほどにアベノミクスの具体的な成果が国民の目に見えていないということだろう。

いったい今後、アベノミクスによってどんな変化が起き、経済はどう動いていくのか。それを占うために、私が選んだ2014年1年間の「アベノミクス十大ニュース」を振り返り、検証してみることにしよう。

アベノミクス十大ニュース
1 成長戦略に「コーポレートガバナンス強化」を明記
2 法人税率の20%台への引き下げ方針を決定
3 「JPX日経インデックス400」の先物上場
4 スチュワードシップコードを制定
5 コーポレートガバナンス・コードの策定
6 国家戦略特区を指定
7 GPIFポートフォリオ見直し
8 女性力の活用訴え
9 農協改革
10 消費税率再引き上げの見送り

6月24日に閣議決定された成長戦略「日本再興戦略 改訂2014」には、注目すべきいくつかの政策が盛り込まれた。1年前に成長戦略「日本再興戦略」を閣議決定した際に比べて、内外の評価は高かった。

もっとも画期的だったのが、「日本の稼ぐ力を取り戻す」として、真っ先に「コーポレートガバナンスの強化」を上げたことだろう。日本企業が稼ぐ力を取り戻すことで日本経済全体の成長力を取り戻そうという発想だ。従来の成長戦略は。国が見定めた戦略分野に補助金を付けるなど、「国が企業に何をするか」が中心の議論だったが、今回は、まずは企業自身に変化を求めることで、国自体も変わっていこうという志向に転換したのである。

コーポレートガバナンスで企業経営に緊張感を持たせることで、経営者自身が低採算の事業を見直し、収益性の高い事業へ集中していくことを促している。従来のガバナンス論は、不正防止や経営者の暴走阻止に重点を置いて語られることが多かったが、むしろ企業がより儲けるために経営者の背中を押す仕組みとしてガバナンスの重要性が語られるようになった。