サッカー
二宮寿朗「松本山雅をJ1に引き上げた“RESPECT”」

 J2を勝ち抜くミッションは、より難しくなってきている。
 ジュビロ磐田、ジェフユナイテッド千葉、京都サンガF.C.……。
 他のJ2クラブに比べて資金力があり、いい選手がそろっていても彼らは今季、J1昇格を果たせなかった。22チームによる42試合の戦いは心身ともにタフさが求められる。

チームを変えた“ソリマジック”

 自動昇格したのが昨季J1だった1位・湘南ベルマーレ、そしてJFLから昇格3年目の2位・松本山雅FCである。松本は経営規模も選手の人件費もJ2のなかで中位だが、勝ち点83、得失点差+30は例年なら優勝してもおかしくない数字だ。
 チームにビッグネームはいない。それでも3位・千葉には勝ち点15差をつけており、その強さは決してフロックなどではなかった。

 走力、組織力、規律、タフネス、多彩なセットプレー……松本のストロングポイントを挙げればいくつも出てくるが、それもこれも反町康治監督の手腕によるところが実に大きい。

 反町はJ2に昇格した2012年、監督に就任し、1年目が12位、2年目がプレーオフ進出をあと一歩で逃がす7位、そして3年目の2014年シーズンに花を咲かせた。「1年目には種をまき、2年目に水をやり、3年目に花を咲かせましょう」とは野村克也の名言だが、反町はまさに3年かけてチームを「闘う集団」に変貌させたのだ。“野村マジック”に負けず劣らずの“ソリマジック”。その裏には、チームに徹底的に植え付けたフィロソフィーがあった。