企業・経営 規制緩和・政策
スカイマーク航空の経営危機はJAL救済が原因だ。国交省の不毛な介入は新たな破綻を必ず招く!
結局、ANAの助けを借りるしかない? photo Getty Images

スカイマークの株価が乱高下している。直接の原因は、経営再建策を巡る新聞各紙の報道で、12月に入ってそれまで220円前後で推移していた株価が急騰。先週木曜日(12月18日)には、一時520円の高値をつけた株価が上下に130円(高値から25%に相当)の幅で乱高下する有り様だった。関係者の間からは、「あれでは、風説の流布か相場操縦だ」と金融商品取引法違反を疑う声もあがっている。

 新聞報道で株価は乱高下

焦点になっている経営再建策の柱は、日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)の協力を得て共同運航を行うという収入テコ入れ策と、内外の投資ファンド4社程度を対象に第3者割当増資を行って資本不足を解消する策の2つだ。それだけに、下値を切り上げた形の株価形成やスカイマークの情報管理体制に疑問の声が出るのも無理からぬところかもしれない。

もっと不可解なのは、頑なにJALの単独支援の前に立ちはだかり、JAL、ANAの2社に異例の「呉越同舟型」支援を強いようとしている国土交通省の姿勢だ。民間企業の経営に対する国家権力のあるまじき介入と言わざるを得ない。

同省は、過去にも、破たん処理すべきだったJALを救済した結果、航空市場の競争環境を歪めて、今日のスカイマークの経営危機を招く失政を犯している。過当介入をただちにやめないと、再び、市場を歪める恐れがあるのではないだろうか。

終値で前日比40円高を演じ、その後の急騰のきっかけになった、スカイマークの12月10日の株価形成はなかなか興味深い。

急騰のきっかけは、朝日、日本経済などの新聞が同日付朝刊で「国内航空3位のスカイマークが、同2位の日本航空と業務提携する方針から一転、首位のANAホールディングスとも提携に向けて交渉に入ることが9日わかった」などと報じたことだ。

当のスカイマークが同日午前中に「現時点で決定した事実はありません」としつつも、「支援要請の検討をしている」と事実上、報道を肯定する発表をしたため、株価が急騰することになった。

産経ニュースによると、スカイマークの西久保慎一社長はこの日、「バランスを整えるため、全日空とも話をする。普通なら2社に共同運航してくださいなんて、民間企業の論理ではありえない。説明のしようがない」と苦渋の表情を浮かべていたという。

だが、その後も、「スカイマーク、第三者割当増資を検討 来年1~2月、最大60億円」(12月11日付日本経済新聞朝刊)のように、同社の支援策作りを巡る報道合戦は過熱する一方だった。それらの報道につられるように、株価も今月下旬に向けて上昇を続けた。

そして、極め付きが、冒頭で記した18日の乱高下だ。朝方からの急騰のきっかけは、読売新聞が同日付朝刊で「全日本空輸は17日、国内航空3位スカイマークから要請されている共同運航に同意する方針を固めた」と報じたこと。これにより、事業基盤の建て直しにメドがついたとの見方から買い物が先行したらしい。

しかし、肝心のANAが各メディアの取材に「先方の要請に基づいて現在、真摯に検討している状況」(広報部)と述べて、報道は先走り過ぎと説明したため、株価が乱高下する結果になったようだ。

今回の経営支援策作りは、支援を受けるスカイマークだけでなく、支援をするJALとANA,支援を強いる国土交通官僚や航空族議員など、多くの関係者がかかわっている。一般論で言えば、朝日、日経、読売といった大手紙が安易に先走り記事を掲載するとは考えにくい。関係者のだれかが報道を煽るようなリークをしている可能性は否定できないだろう。

しかも、株価の高騰は、再建策のもう一つの柱である第3者割当増資の割当価格を押し上げて、スカイマークの再建を有利に効果もある。問題がなかったかどうか、証券取引等監視委員会は、株価形成の過程をしっかりと監視、調査する必要がありそうだ。

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