「鳩山政権と協調か、対立か」
で揺れる公明党・創価学会の憂鬱

矢野元委員長の息子が仙谷大臣の秘書に

 先月末の党首討論で、ひときわ耳目を集めたのは、公明党代表・山口那津男の強硬姿勢だった。声のトーンを大きく上げ、首相・鳩山由紀夫を追及した。

「内閣の機能がもう不全に陥っていると言わざるを得ない。国民から見れば、失望内閣と言いたいくらいですよ。こんな体たらくでどうするんですか! 首相の認識をうかがいたい」

 鳩山が政治資金問題で相も変わらぬ発言を続けていると、山口はさえぎり「鳩山総理、もう分かりました。トップのあなたがそういう姿勢だから、小沢さん(一郎民主党幹事長)、小林さん(千代美衆院議員)もきちんと対応しようとしない」と攻め立てた。

 山口の態度は1ヵ月半前とガラッと変わった。2月17日の党首討論で、山口は政治資金規正法改正に関する与野党協議機関設置を提唱し、鳩山が「民主党としても設置に賛成したい。

 大いに進めていこう」と踏み込んだのを受けて、終了後、「与党が初めて明言したのは非常に大きい」と賛辞を送っていたのだから。

参議院選「自公協力」の実態

 民主党との協調路線は3月中旬まで続き、民主、公明両党がこども手当法案、高校授業料無償化法案の修正で一致。新聞に「まるで民公連立」(10日付朝日朝刊)、「目玉政策でも民・公接近」(11日付読売朝刊)と書き立てられた。この間の2月26日に小沢らと、公明党の支持母体である創価学会の元会長・秋谷栄之助が会談したことも明らかになっている。

 協調から対決へ-。なぜ、こうも変わったのか。1つは、状況の変化だ。鳩山内閣の支持率、民主党の政党支持率が急落したため、この内閣とお付き合いしていたら一緒に沈んでしまうという恐れを抱いた。

 もう1つは学会員の不満だ。公明党は参院選で自民党をはじめ他党の候補者を推薦しない方針だ。だが、比例代表票を増やそうとしたら、各地域で自民党と協力するほかない。ある公明党議員は語る。

「ウチは極端な話、民主党から1票も来ない。保守票を取り組むしかないんだ。自民党との10年間で連立・選挙協力で、自民党議員の組織と、ウチの組織が直接結びつくようになっている。党レベルで協力しなくとも、地域で協力し合えばいい」

 この選挙における「自公協力」は全国各地で進められており、ある自民党幹部は「前回参院選よりも、5%多い名簿を提出するよう求められた」と言って嘆いている。

 ようやく手に入れた名簿を元に、学会員は比例代表で公明党への投票を働き掛けている。彼らにとって、自民党支持者から「お宅は自民党と"離婚"したら、すぐ民主党と"結婚"するんだね」と皮肉られたりしたら、針のむしろだ。ただでさえ、学会員の意識が多様化し、集票力も落ちているのに、「民公協調路線」は選挙運動のマイナスになっている。

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