干場の究極ワードローブ! キーワードは"エコラグ"
第20回 ブルネロ クチネリのボウタイ

ブルネロ クチネリのボウタイ

数々の男性誌に携わりながら、編集者として、ファッションディレクターとして、さまざまなアイテムを見てきた編集長の干場義雅が、40代の男性のライフスタイルを豊かにする厳選したワードローブをご紹介。腕時計や靴・鞄、スーツのように長い年月使えるものは減価償却できるので高額でも良い、しかし白シャツや白い無地のTシャツのように常に白いまま着たい消耗品は、高額なものよりコストパフォーマンスを重視した方が経済的だと言います。「多くの粗悪なものより少しの良い物を」「移り変わる流行よりも普遍的で美しいものを」。干場が掲げる哲学を突き詰めていくと……、ブルース・リーが提唱した無駄を排した最短の動き(エコノミック・モーション)で相手を倒すジークンドーのように、経済的かつ無駄のない、シンプルで美しいスタイルが浮かび上がってきます。足ることを知れば、自ずと本質的なワードローブが揃うのです。第19回はコチラ

お洒落度が上がり、華やかさもアップする、ブルネロ クチネリのボウタイ

蝶ネクタイは、読んで字の如くネクタイを結んだ形がまるで蝶が羽を広げた形に似ていることから、バタフライタイと呼ばれています。基本的に僕にとっての蝶ネクタイは、黒色のもので素材はシルク。ドレスコードが“ブラックタイ”と書かれたパーティや結婚式のときにタキシードに合わせて締めることが多く、あくまで特別なときのアイテムとして捉えています。

蝶ネクタイは、まだまだ日本人に馴染みがない分、日常シーンの中でしていると浮いて見えてしまうことが多いんですよね。派手な色柄のものだと、どうしてもコメディアンのように取って付けたように見えるため敬遠しているのですが……。例えば、今回紹介するようなシックな色や素材の蝶ネクタイなら、クリスマスパーティやイヤーエンドパーティなど華々しいイベントが多くなってきたときに、いつものグレーやネイビーのスーツスタイルのときに使えたりするので便利なのです。

そこで、ご紹介するのがブルネロ クチネリの蝶ネクタイです。こちらは、カシミア素材で色はミディアムグレー。はじめから蝶のカタチに形成されているものもあるのですが、これは自分で結ぶタイプ。ですから、シーンやオケージョンに応じてノットの大きさや蝶の羽根の大きさが自由自在にアレンジできるのです。少し大きめに結ぶと華やかさがアップするなど、表情も変えられて、とても便利な1本です。自分で綺麗に結べるまでには少々訓練が必要ではありますが、慣れてしまえば上手くまとまりますし、個性的で上級者に見せることができます。

選ぶ際のポイントですが、ストライプやチェックなどの柄ものは、少しトラッド過ぎる雰囲気やコミカルな印象を与えてしまいがちなので、まず1本目に買うなら派手になりすぎないグレーやネイビーといったシックかつベーシックな無地のものを選ぶのがお勧めです。
 
バッグの中でも場所を取らないアイテムなので、いざというときのために1本持っていると、とっても使えるはずです。僕も、船旅に出る際は必ず持参しています。ネイビーのネクタイを1本と、グレーの蝶ネクタイが1本あれば、さまざまなシーンに対応できるのです。ミドルエイジの男性にとって、華やかなパーティのシーンに合わせて、上質な小物を身につけ、品格を表現するのは重要です。こういう上品な印象を与えてくれる定番のアイテムは長期間使用でき、実は結果経済的ですから、少しずつ揃えて、お洒落を楽しんでみてはいかかでしょうか? いつものネイビースーツやグレーのスーツに似合うので、非常にお買い得で重宝するアイテムだと思いますよ!

Photo:Yasuhisa Takenouchi
Text:FORZA STYLE

エコラグ-Hoshipedia
「エコラグ」とは、エコノミック・ラグジュアリーの略。economic luxury。極めて経済的だが、上質さやエレガンスは失わないスタイルの意味。「多くの粗悪なものより少しの良い物を」という干場の哲学により生まれた造語。腕時計や靴・鞄、スーツのように長い年月使えるものは高額でも、白シャツや白無地のTシャツのように常に白いまま清潔に着たい消耗品は、高額なものよりもコストパフォーマンスを重視するというスタイル。パテック・フィリップの腕時計やジョン・ロブの靴と、カミチャニスタやデッコーロの白シャツ、GAPの白無地のTシャツは干場にとっては同じ。一点豪華主義とも違う。干場が敬愛するブルース・リー先生が提唱した無駄を排した最短の動き(エコノミック モーション)で相手を倒すジークンドーのように、経済的で盛り過ぎない、かつ無駄のないシンプルで上質なスタイルを指す。

干場義雅
FORZA STYLE編集長

数々の男性誌に携わりながら、編集者として、ファッションディレクターとして活動。2010年に独立後は、新聞、テレビ、雑誌、ラジオなどメディアの枠を超えて多方面で活躍中。