長谷川幸洋「ニュースの深層」
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どう景気を回復するのか? 規制改革より補助金組み替えが即効性あり

2014年12月19日(金) 長谷川 幸洋
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「景気回復」へ、時間は1年半しかない。本当の正念場はこれからだ    photo Getty Images

総選挙が終わり、第3次安倍晋三内閣がスタートする。

政権の最重要課題は言うまでもなく経済再生だ。景気回復なくしては、集団的自衛権の法制化をはじめ安保外交政策もうまくいかない。政治の本来のあり方から言えば「平和なくして繁栄なし」なのだが、国民の期待感はなんといっても景気である。

規制改革は即効的な景気浮揚策ではない

それは内閣支持率に表れる。景気が思わしくないと、どんなに政治家が「国の防衛が大事だ」と声を大にして叫んでも、人々は「そんな話をする前にオレの暮らしを良くしてくれ」と言い返す。それが支持率に跳ね返って、内閣の人気が下がってしまう。

すると、野党が元気になってきて「いまの政権ではダメだ」と攻勢をかけるようになる。支持率が下がった状態で、集団的自衛権の法制化とか憲法改正問題に手をつけようとしても、もはや国民が聞く耳をもたない。だから「あるべき論」はさておいて、政治的には景気回復が最優先になる。

そう確認したうえで、さて景気回復は望めるだろうか。私自身が規制改革会議の委員を務めているので、他人事のようには言えない。規制改革に全力で取り組んでいくのはもちろんだ。安倍政権は来年1月から始まる通常国会に農業や医療など岩盤規制関連の改革法案を出す。

だが、あえて正直に言おう。規制改革を進めたからといって、即効的な景気浮揚効果は期待できない。

たとえば農業や社会保障関連の岩盤規制が取り払われて、企業参入が理想的に進んだとする。それでも企業が順調に収益を上げて、事業を拡大していくには早くても3年や5年はかかる。言い換えれば、規制改革で半年後、1年後の景気が良くなるわけではない。

世の中には「成長戦略とりわけ岩盤規制の改革が進まないから、景気が良くならない」といった声がある。それも誤解だ。

景気というのは、せいぜい2~3年くらいの短期的な循環である。規制改革が目指しているのは、そんな短期の景気浮揚ではなく、もっと長い射程、つまり5年から10年、20年といった中長期の安定的な経済成長なのだ。

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