メディア・マスコミ
タカタ製エアバッグ問題、NYタイムズから3ヵ月遅れでようやく消費者視点の報道
9月12日付NYタイムズの記事「エアバッグ欠陥」。1面からジャンプしている

日本の主要紙はメーカー側に気遣いしたのか?

自動車の欠陥が明らかになったとき、メーカー側と消費者側のどちらの視点を強く打ち出すべきか。ウォッチドッグジャーナリズム(権力監視型報道)の精神にのっとれば、消費者側の視点だ。安全性が焦点になっていればなおさらである。

10月31日公開の当コラムで書いたように、タカタ製エアバッグの欠陥をめぐる報道で日米メディアの報道姿勢の違いが浮き彫りになった。結論から言えば、ウォッチドッグジャーナリズムという土俵で日本はアメリカに完敗。消費者側の視点をきちんと打ち出せなかったからだ。

遅ればせながら、12月に入って消費者側の視点に立った記事が出た。しかし、米ニューヨーク・タイムズが9月12日付の1面記事で「リコールにつながったエアバッグ欠陥、ホンダとタカタが長らく認識」と報じてから、すでに3ヵ月近くが経過している。

アメリカでタカタ製エアバッグ問題が大きな注目を集めるきっかけになったのは上記の「エアバッグ欠陥」記事だ。裁判記録など公開情報を調べると同時に事故に遭ったドライバーにインタビューするなどして、メーカー側が消費者をだまして欠陥問題を隠ぺいしていた可能性を指摘したのだ。

記事で使われた写真2点も目を引いた。一つは事故で前部がぐしゃっとへこんでいるホンダシビック、もう一つはシビック内で破裂したエアバッグの写真だ。記事中にはこのシビックを運転していて大けがをしたドライバーも登場して「ホンダは問題に気付いていた」と語っている。まさに消費者側の視点だ。

対照的に日本の主要紙は、メーカーや監督当局、米議会などの動きばかり追いかけていた。メーカー側に気遣いしたのかどうかは分からないが、破裂したエアバッグの写真を大きく載せることもなかった。そもそも11月後半になるまでタカタ製エアバッグ問題を1面ニュースとして扱うことさえなかった。

12月7日付の朝日朝刊社会面
この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら