住みたい街2015
2014年12月18日(木)

【沿線革命004】
上野東京ライン開業で、東京以北の利便性をさらに高める提案

阿部等(交通コンサルタント)

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【沿線革命003】にて、上野東京ラインの開業に伴う良い点の裏返しで良くない点3つに触れた。

すなわち、「トラブルの波及がさらに大きくなる」「東京や上野で座れなくなる」「宇都宮・高崎・常磐各線の混雑率が上昇する」といった問題だ。ここでは、どうしたら良いか(利用者ではなく鉄道会社が)の提案を書く。

トラブルの波及がさらに大きく

上野東京ライン開業で、宇都宮・高崎・常磐線と東海道本線が結びつく(JR東日本HPより)

近年、路線間の相互直通運転が増え、乗り換えなしで行き来できるエリアが広がった一方、はるか離れた箇所のトラブルの影響を受け、修復後のダイヤ回復も遅れるというデメリットも生まれている。

上野東京ラインの開業でも、小田原で車両故障があると水戸へ行く特急「ひたち」が遅れる、熊谷で踏切事故があると東海道本線も宇都宮線も横須賀線も遅れるといったことが増えよう。

私は、相互直通運転はやり過ぎず、同じホーム反対側での乗り換えを多用して直通は必要最小限とすべきだと考えている。

やり過ぎない直通運転

昔から交通計画の教科書で、銀座線と丸ノ内線が対面で乗り換えられる赤坂見附(http://www.tokyometro.jp/station/akasaka-mitsuke/yardmap/)が模範例として紹介されている。

例えば、渋谷から新橋は銀座線、新宿から霞ヶ関は丸ノ内線により直接行ける一方、渋谷から霞ヶ関も新宿から新橋も対面乗り換えで便利に行ける(http://www.tokyometro.jp/station/common/pdf/network1.pdf)。

これを最近流行の「何でも直通」の考えにすると、どうなるか。新宿から霞ヶ関方面行きと新橋方面行きが1本おき、渋谷からも同様となる。赤坂見附では1本おきに平面交差が発生し、線路容量を下げるか高価な立体交差設備にしなければならない。1線でのトラブルが他線にも影響し回復も遅れる。

私は、これはやり過ぎで対面乗り換えの方が適切なやり方だと考える。上野東京ラインと湘南新宿ライン(http://www.jreast.co.jp/map/pdf/map_tokyo.pdf)に同じ考えを当てはめると、以下となる。

宇都宮線は東京を経由して東海道本線とのみ直通し、高崎線は新宿を経由して横須賀線とのみ直通する。

南方は戸塚(http://www.jreast.co.jp/estation/stations/1057.html)で東海道本線と横須賀線が対面乗り換えできるが、北方は大宮から赤羽の全駅が宇都宮・高崎線(将来は宇都宮線-東京-東海道本線のみとする)と湘南新宿ライン(将来は高崎線-新宿-横須賀線のみとする)が別ホームなので、大宮(http://www.jreast.co.jp/estation/stations/350.html)で対面乗り換えできるように改良する。

高崎線-新宿-横須賀線は池袋-大崎で埼京線と線路が共用となるので、高崎線は半数を池袋折返し、横須賀線は半数を東京地下経由で総武快速線と直通運転する。

発駅と着駅の組み合わせに応じて2分の1弱の確率で乗り換えが発生(例えば、高崎線⇔東京、宇都宮線⇔新宿、東海道本線⇔新宿)するが、乗り換えは対面で済み、ダイヤも大宮と戸塚で同時着発するように組めば利便性は充分に高い。

それにより、トラブルの波及度を小さくでき、修復後のダイヤ回復も早くなる。各線の行き先が統一され、分かりやすくもなる。乗り換え前に座れていたのが乗り換え後に座れなくなる問題は、後述する着席割増料金の導入により防ぐ。

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