イケダハヤト×谷口マサト【後編】「個人活動でスベる訓練をして、ユーザーの時間意識とつくるコンテンツの速さを合わせていく」
[左] LINE株式会社 広告事業部 チーフプロデューサー・谷口マサト氏、[右] プロブロガー・イケダハヤト氏
スマートフォンやソーシャルメディアの時代において、メディアやコンテンツ、広告をめぐるトレンドは急速に変わりつつある。いま、ウェブコンテンツづくりの本質はどこにあるのか。スマホ時代のメディアの情報発信のあり方とは---。
今回、対談をおこなったのは、今年8月に広告なのにシェアされるコンテンツマーケティング入門を上梓した、LINE株式会社 広告事業部 チーフプロデューサー・谷口マサト氏と、6月に高知に移住し、ブログまだ東京で消耗してるの?」を運営するプロブロガー・イケダハヤト氏。この2人がいまコンテンツや広告について考えていること、さらには会社と個人での身のこなし方、都会と地方での働き方を語った(12月6日収録)。

【対談前編:「これからのコンテンツの可能性は『長さ』と『深さ』にある。そしてスマホユーザーの感情を震わせたい」】

スマホユーザーは読み手意識で素直にコンテンツを読む

谷口: イケダさんは、最近のバイラル動画についてどう思いますか?

イケダ: 海外の動画をキュレーションするメディアが多いなか、どのようにオリジナル動画を制作していくのかは気になります。たとえば、YouTuberを見ていても特定のフォーマット以外はまだ出ていないので、今後、どのような新しい動画の文法が出てくるのか楽しみです。谷口さんは、オンラインメディア業界の課題をどのようにとらえていますか?

谷口: やはり、 コンテンツ制作にお金が回らないという問題ですね。また、今後はリーチを増やすことにトライしていきたいと思っています。たとえば、「そうだ 京都、行こう。」のような普遍的なメッセージは、リーチがないと効果的ではありません。もしリーチがあったとしたら、私のような奇抜なことやってもしょうがない。私が今やってるのはゲリラ戦法のようなもので、リーチが狭い場合の戦い方です。リーチが広がることで表現も変わると思います。プラットフォームのリーチ拡大とそれに応じた柔らかいコンテンツの効果を試したいです。それが今後の課題です。

イケダ: たしかにウェブではまだ、「そうだ 京都、行こう。」みたいなのはできないですよね。そういうものは結局、LINEやYahoo!ニュースなど大メディアに紐づいたコンテンツになる気がしています。

谷口: 私はネットがもっと影響力をもったほうがいいと考えています。10年以上前には、すぐにテレビを抜くと思ったんですが、時間かかりますね(笑)。ネットがもっとパワーをもって、空気を変えるくらいじゃないと未来がないと思います。

小川: 谷口さんのタイアップ記事に対する反応を見ると、「これ、広告だったのか」というものがあります。既存のフリーペーパーや雑誌にも多くのタイアップ記事が占めていたり、テレビ番組についても企業提供はふつうのことですが、なぜネットだと広告に対する嫌悪感が生まれているんでしょうか?

谷口: あれは、 PCユーザーの生き残りだと思っています。つまり、自分が書き手として、人の読み物を読んでいるということです。PCユーザーが書き手目線でコンテンツを読む一方で、スマホユーザーは完全に読み手意識でかなり素直に読みます。PCユーザーが嫌うフィクションや妄想話も大丈夫です。

ずっとマスメディアに接していた人がスマホユーザーになりつつある境目のいま、チャンスがあると考えています。これまでオンラインメディアはPCユーザーの文化でコンテンツをつくってきました。そこを切り替える必要があると思います。スマホユーザーはタイアップ記事かどうかをあまり気にしないので、ちゃんとおもしろいものをつくるだけです。

また、広告と組み合わせるコンテンツは事実よりもフィクションのほうがいいと考えています。PC受けするリアリティをともなうものをつくろうとすると幅が狭まって、広告とかみ合わせが悪くなります。一方で、フィクションすぎるとスベりやすいので、両方かけ合わせることができたら一番いいのではないかと思っています。PCユーザーがフィクションやタイアップはイタいと思っているうちに、パイをとってしまえという考えです。

イケダ: 職人的な考えですね。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら