現代新書

『認知症の「真実」』著者 東田勉氏インタビュー第2弾
どんな医者が認知症高齢者をダメにするのか?
知らなければあまりに危険な、認知症治療のワナ!

これまで語られることのなかった認知症治療薬の副作用、医師の診断能力の不足などの問題点を指摘するとともに、 薬に頼らない新しい介護や医療を紹介した衝撃作。発売直後から医療や介護の世界で大反響を呼び、早くも3刷の重版が決定した!

11月19日に現代新書より、我が国の認知症治療の驚くべき混乱ぶりを暴いた迫真のリポート『認知症の「真実」』が刊行された。発売と同時に著者である東田勉氏のインタビューを公開したところ、直後より各界から大きな反響が巻き起こっている。今後、医療と介護を巻きこんだ壮大な論争へと発展しそうな勢いだ。そこで、論点をまとめる意味をこめて、認知症治療と認知症介護の双方を知る東田勉氏に、再度インタビューを試みた。


Q 先日のインタビュー記事公開直後、まだ新聞広告も打たれていないのに、Amazonの「本」総合ランキングで、一時は本書が80位台になりました。どこが世間の琴線に触れたと思われますか?

東田 認知症に対する人々の関心が高いおかげでしょう。それと、これまでの認知症本に対して消化不良を感じていた読者が多かったからではないでしょうか。認知症は、ご存知のように予防に関する本が多く、治療のことが書かれた一般書はあまりありません。認知症の大家が書いた本であっても、分類に多くのページが割かれ、治療の記述はごくわずかで、残りは予防法でした。本書のように、歯に衣を着せず治療について書き、なかんずく誤診と誤処方にスポットを当てた本は珍しいと思います。認知症は、なることが恐いのではなく、誤った治療やケアを受けることが恐いのです。あと、「認知症はつくられた病である」と指摘した点もセンセーションを巻き起こしたと思います。

Q カバーにも「“認知症”は国と医者が作り上げた虚構の病だった!」と書かれていますね。この意味をもう少し詳しく説明してください。

東田 認知症という「病気」があると思っている人が多いようですが、認知症という「病名」はあっても認知症という「病気」はないのです。認知症は単独の疾患ではなく、複数の異なる疾患がモザイク状に集まった症候群に過ぎません。従って、70はあると言われている原因疾患を鑑別できないと、正しい治療はできないのです。それでいて、認知症という病名告知をする医者が多いので、警鐘を鳴らしました。認知症の診断基準は未だに確立されておらず、認知症に対して現代医学は極めて無力です。

Q 本書では日本の製薬会社エーザイが世界で初めて認知症治療薬アリセプトを発売して以来、認知症の診断数が飛躍的に伸びていった経過が克明にたどられていますね。エーザイも巨額の広告費を投入しましたが、厚生労働省が行った「認知症は脳の病気である」「早期受診、早期診断、早期治療が重要である」というキャンペーンは、日本中に浸透しました。

『認知症の「真実」』の著者東田勉氏

東田 「早期受診が大切」と言われ、「進行を遅らせる薬があるから」と言われると、一般の人は「その薬を早く飲めば、認知症は飲み始めたときの状態で止まってくれる」と思いがちです。しかしアリセプトは、いつまでも認知機能の低下を止めてくれる薬ではありません。飲み始めてもやがて飲まなかった場合と同じような下降線をたどり始めますし、飲むのをやめると最初から飲まなかった場合と同じ状態まで落ちます。それでいて、多くの患者に副作用が出るのです。