賢者の知恵
2014年12月23日(火)

わが社には、増税の影響を受けないしくみがある
小山昇『右肩下がりの時代にわが社だけ右肩上がりを達成する方法』【第1回】

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わが社の社員が、「消費税増税後」に家を買った理由

わが社の社員、内堀一徳が、「消費税が5%から8%に上がる前に、家を買おう」と考えました。私に相談をしに来たので、「やめとけ」と忠告した。なぜなら、内堀が「今のことしか考えていなかったから」です。

消費税増税前に、持ち家購入を検討している多くの人が、「いまのうちに買っておこう」と考えた。需要が高まれば、当然、住宅の価格も上がります。

では、増税後はどうなるかといえば、売れなくなる。すると背に腹はかえられないので、「安く売ろう」とします。結果的に内堀は、増税後に住宅を購入。少しの交渉で、100万円値引きすることができました(私の実力なら、もっと値引きできたでしょう)。

本人は「増税前に買わないと、売れてしまう」と焦ったようですが、それは、近視眼的な意見です。

住宅メーカーは、「増税前に駆け込み需要がある」と見込んで、ぽんぽん、ぽんぽん家を建てた。その中で、いい物件はすぐに売れ、よくない物件は売れ残ります。ましてや、それ以前に建てた物件はなおさら売れません。

したがって、売れ残った物件は、増税後に安くなることがわかります。安くしてでも売らなければ、資金繰りができないからです。

一般社員は、目先のことしか見ていませんし、見えてもいません。「いい・悪い」ではなく、単純に「そういうもの」なのです。

ターニングポイントの前後2年の仮説・検証を行う

消費税の増税前に、私はたびたび、次のような質問をいただきました。

「消費税が8%になったとき、武蔵野はどのような対応をとるのですか?」

私は、こう答えました。

「消費税が8%になっても、10%になっても、わが社にはあまり影響はありません」

武蔵野の主力事業は、ダスキンの代理店業務です。ダスキンは薄利多売のビジネスモデルで、台所用スポンジは、ひとつ160円程度です。税込168円(消費税5%)が税込172円(消費税8%)に上がると、差額は4円。

4円程度なら、一般的な感覚からすれば誤差の範囲内ではないでしょうか。「4円上がるから使うのを止める」というお客さまは、それほど多くはありません。

もちろん、高額商品を扱っている会社であれば、事情は異なります。消費税が8%から10%に上がることになれば、施行直前に駆け込み需要が発生し、売上が上がるでしょう。

ですが、駆け込み需要は、いわば「特需」であり、需要の先喰いにしかならない。増税後はその反動で、売上を落とすことになります。

売上が上がれば、一般社員は、「理由はどうあれ、売上が伸びたのだから、賞与に反映させてほしい」と思うでしょう。

ですが、一時的に業績が伸びたくらいで社員の賞与を上げてしまうと、翌年の経営を圧迫することになります。社長(幹部)は、中期的な視点に立って、「ターニングポイントの前後2年、計4年」を仮説・検証した上で、舵取りをすることです。

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