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前進できない日本の音楽レコード産業は、既得権益に縛られた全産業界の縮図か

2014年12月19日(金) 小林 雅一
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〔PHOTO〕gettyimages

不振に喘ぐ日本の音楽レコード産業が、次世代のビジネス・モデルに移行できずに苦しんでいる。

●"CD-Loving Japan Resists Move to Online Music" The New York Times, SEPT. 16, 2014

上記ニューヨーク・タイムズ記事によれば、米国やスウェーデンなど一部諸国の音楽レコード売上に占めるCDの割合は20%程度だが、日本の場合には85%にも達するという。もちろん、その事自体が悪いというわけではない。そもそも音楽を聴くために、どんな媒体(CD、ダウンロード配信、ストリーミング配信、等々)を利用しようと、それは消費者(リスナー)の自由であり、周りがあれこれケチをつけるようなことではない。

日本の音楽レコード市場は下げ止まらない

が一方で、岡目八目とも言える外国メディアの見方に耳を傾けるべき点があることも事実だ。それはCDに代わるストリーミングなど次世代のビジネス・モデルに、日本の音楽レコード産業が移行できない、あるいは移行を拒んでいるということだ。日本市場の85%をCDが占めるのは、CDの売上が往年の勢いを維持しているからではなく、音楽市場全体が地盤沈下する中で、従来のCDに代わる新しい媒体が育っていないからだ。

結果、日本の音楽市場は諸外国と比べても一際、落ち込みが激しい。2013年に世界の音楽レコードの売上は3.9%低下、米国はほぼ横ばいだったが、日本では10%以上も落ち込んでいる。この理由は、諸外国ではCDに代わって英Spotifyのようなストリーミング配信が伸びており、これがCD売上の低下した分を補っているのに対し、日本の音楽レコード業界には、そうした新陳代謝が見られないからだ。

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