勝とうが負けようが何も変わらないーーかくあるべし 藤田寛之「男が惚れる」人生とゴルフ
40代になり花開く。人一倍の練習の成果だ〔PHOTO〕gettyimages

プロゴルファー藤田寛之。小柄な体、45歳という年齢にもかかわらず、一線で闘い続けるその姿に、多くの中高年男性が拍手喝采を送る。いったい、彼の何が男たちの心をそこまで魅了するのだろうか。

黙々と自分の仕事をする

「ぼくもレジェンド?うーん、よくわからないけど(葛西紀明選手と)共通しているのは、ひたすら追究しているということかな。一つのことをまじめに追究する、と」

今シーズンの男子ツアー最終戦となるJTカップ直前、本誌の取材に藤田寛之は、照れながらこう答えた。

藤田と小田孔明による賞金王争いが最終戦にもつれ込んでいた。いきおい、取材陣は二人を取り巻く。が、そこには間違いなく藤田びいきの雰囲気があった。客観的であることを求められる取材者をして「藤田に勝たせてやりたい」と思わせる。藤田にはそんな独特の存在感がある。

「確かに、藤田選手のファンは多いですよ。特に中高年の男性からの支持が高い。派手な話をしてくれるわけではないんですがね(笑)」(ゴルフ専門誌記者)

実は、ゴルフ雑誌的には藤田の理論は扱いにくいことで知られている。

「一般読者のレベルに合わせたサービス話をしないのです」(同前)

それについて藤田は本誌にこう語っている。

「だって僕は自分が闘うプロですから。みなさんに教えることを仕事にしていたら、もっとわかりやすく、雑誌が使いやすい話ができるように研究しますよ」

浮かれず、騒がず、ただ自分の仕事と向き合う。一言でいうならば「職人気質」。トップ選手ともなれば、タレント顔負けの人気商売だというのに、彼はなぜその古めかしいスタイルを崩さないのだろうか。そこには様々な要因があった。