雑誌
安倍総理と「奇跡の万能薬」ステロイド。
何にでも効く。でも、なんで効くかは分からない。

そして副作用は確実にある
以前よりもかなり顔が丸くなったのは、「特効薬」が原因?〔PHOTO〕gettyimages

最近、すこぶる調子がいいらしい。我が国の総理を支えているのは、「20世紀最大の発見」とも称される特効薬。難病に苦しんだケネディ大統領もこの恩恵を受けたと言われるが、その本当の効果とは。

効きすぎる薬

「いままでの生涯で、いまが一番健康です。持病の潰瘍性大腸炎には、中学卒業時からずっと悩まされてきましたが、画期的な新薬ができたお陰でいまはまったく問題なく元気になっています。総理としての私の一日の日程を見ていただければ、元気であることにご理解いただけると思います」

今月1日に東京・日本記者クラブで行われた党首討論。その場で、記者から自身の健康問題について問われると、安倍総理は強い口調でこう言い切った。たしかに、解散後の総理は、全国各地を飛び回り、過密スケジュールをこなしているが、「疲れた様子はまったく感じさせません」(全国紙の総理官邸担当記者)という。

たとえば今月2日の総理動静はこうだ。朝7時に東京駅を出発し、福島に向かう車中でNHKのインタビューに応じる。到着後、福島から宮城へ移動しながら4ヵ所での街頭演説をこなし、18時前に東京着。19時頃からNHKの報道番組に出演し、一度公邸に戻った後、東京・赤坂のTBSへ行って1時間半ほど報道番組の収録。自宅に戻ったのは22時22分だった。翌日も、同じようなハードスケジュールをこなしている。

選挙戦に突入した政治家が、アドレナリン全開になるのは当然だが、最近の安倍総理は見ているほうが心配になるほどだ。

第一次安倍内閣発足後、'07年に突然の総理辞任を表明したのは、持病の難病「潰瘍性大腸炎」が原因だった。

「政権を投げ出す前は、下痢の症状がひどく、一日に30回もトイレに行っていたそうです。夜寝ていても5回はトイレに起きるので、睡眠不足が続き、体力が落ちて疲労困憊していった」(全国紙政治部デスク)

それが、いまは、すっかり回復しているというのだ。

総理が言う「画期的な新薬」とは、'09年に発売された潰瘍性大腸炎の治療薬「アサコール」。総理がこの薬の服用を始めて飛躍的に症状が改善したと報じられ、注目を集めた薬だ。だが、過去に、某総理の主治医を務めた経験を持つ医師で医療ジャーナリストの富家孝氏はこう推測する。

「一国を代表する総理の病状は、国勢に大きく関わるので、すべてをオープンにしているわけではありません。安倍総理も、最低限のことしか明かしていないと思います」

安倍総理の体調管理には、アサコールではなく、もう一つ別の「特効薬」の恩恵が大きい、と安倍総理の評伝を2冊書いた政治ジャーナリスト、野上忠興氏が言う。

「アサコールのおかげで病状がだいぶよくなったことは事実でしょう。ただ、安倍総理は病気で第一次政権を退陣する前から、ステロイドを服用していると言われています。ストレスが溜まると炎症が起きやすくなり、ステロイドが使われることが多いからです。

解散後、安倍総理は健康不安説を払拭するかのように精力的に全国を駆け回っていますが、専門医に言わせれば、薬でしっかりコントロールしない限り、あり得ない動きだそうです。だからなのか、自民党内には体調不安を懸念する声が相当あります」

このステロイドこそが、総理の「絶好調」の秘訣だというのだ。総理が抱える潰瘍性大腸炎には、どのように使われるのか。

「潰瘍性大腸炎の患者が全員ステロイドを服用しているわけではないですが、アサコールなどの薬で充分に効果が得られない場合にステロイドを併用します。腸の炎症を抑えるために使われるのです。処方量は体調や症状によって調整しなくてはいけませんが、この病気の患者にとって、ステロイドはなくてはならない薬の一つです」(鳥居内科クリニック院長の鳥居明医師)

'08年には、ステロイドを服用していることを総理自らが明かしている(『文藝春秋』2月号)。今年に入ってからも、ステロイドの服用を示唆する言動は確認されている。

今年8月20日、広島で豪雨による土砂災害が発生したときのこと。当時、夏休みをとって山梨の別荘に滞在していた安倍総理は、災害の知らせを受けて官邸に駆けつけたが、その夜に別荘にトンボ返り。このときの行動は「ステロイド治療を受けるためのものだった」と指摘する声もある。

「安倍総理は『身一つで出たので、服を取りに戻った』と理由を述べましたが、じつはそうではなかった。その日、別荘に主治医を呼んでいて、ステロイドの処方量を決めるために体調を入念にチェックしていたため、戻らざるをえなかったようです」(前出・全国紙政治部デスク)

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