中国
盛り上がらなかった「アベノミクス信任選挙」と、再び左派に回帰する東アジアの政治
〔PHOTO〕gettyimages

4段階で進んできた戦後東アジアの政治

師走のまったく盛り上がらなかった総選挙が幕を閉じた。結局、「アベノミクス信任選挙」と呼んで勝手に解散総選挙に持ち込んでしまった安倍晋三首相の「独り相撲」のようなイベントだった。

私は今回の総選挙を、東アジアの政治の潮流という観点から見ていた。

どういうことかと言えば、戦後の東アジアの政治の潮流は、大まかに4段階で進んできた。第1段階は、保守政党による長期政権だった。貧しいアジアの「開発独裁の時代」(経済優先時代)と言ってもよい。韓国で言えば李承晩大統領から盧泰愚大統領までの軍事政権(次の金泳三政権は過渡期)、台湾で言えば蒋介石総統、蒋経国総統の国民党長期政権(次の李登輝政権は過渡期)、日本で言えば麻生太郎首相までの自民党長期政権(途中の細川護煕政権は過渡期)である。

第2段階として、中間層が増え、国民国家が成熟してくるにつれ、保守長期政権による反動として、左派リベラル政権の時代を迎えた。政治家の不正腐敗を許さない市民型民主政治時代の到来である。韓国で言えば金大中・廬武鉉政権、台湾で言えば陳水扁・民進党政権、日本で言えば鳩山由紀夫・菅直人・野田佳彦首相と続いた民主党政権である。

第3段階は、保守回帰である。左派リベラル政権は、経済、外交防衛、危機管理の3分野に弱いことが露呈し、国家が傾いていった。その結果、国民は、悪徳政治家が多かった保守政権時代は、それでも安定して国民経済を豊かにしたと見直し始め、保守への回帰現象が起こったのである。韓国で言えば李明博・朴槿恵政権、台湾で言えば馬英九政権、そして日本では2年前の安倍自民党政権である。

そして今年に入って、東アジアは再び左派回帰という第4段階を迎えている。アジア各国で格差社会が広がり、急増する「持たざる者」たちが、左派の政治家を押し上げているのである。

台北市長に当選した柯文哲氏(右) 〔PHOTO〕gettyimages
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