今こそ「Gov2.0」を日本にも
大量のデータとアプリが公開されているdata.gov

 震災後、ITを使った被災地支援の動きが加速しています。特に目立っているのはsinsai.infobuji.meなどといった「個人によるIT活用支援」で、その動きはソーシャライズ!でもご紹介して参りました(Webに広がる震災被災地支援の動き 2011年は「マイプロジェクト元年」となる)。

 こうした個人を中心とした活動が起きてくるのは非常に望ましいことです。しかし、一方で注意しなければならないのは複数のプレーヤーで支援の内容が重複し、「非効率」が発生してしまうことです。

 今回の震災においても、特に被災地/震災関連の「情報収集」プロジェクトに関してはかなりの重複が見られたように私は感じます。様々なプレーヤーが情報をまとめており、返ってどこに情報提供していいか分からない、といった経験をした方もいらっしゃるかも知れません。

 せっかくの民間の善意とクリエイティビティが、社会のためにフル活用されないのは「もったいない」ことだと私は感じます。さて、こうした「非効率」の問題をある程度解決することができそうなのが、本日ご紹介する「Gov2.0」というアプローチです。

政府がプラットフォームになる

 Gov2.0自体は数年前から米国を中心に盛り上がっているテーマです。一言でその概要を述べるとするならば、「Gov2.0」は「政府のプラットフォーム化」を実現しようとする動きです。

 「政府のプラットフォーム化」という言葉を考える上では、プラットフォーム企業であるAppleのiPhoneアプリ市場を考えると分かりやすいです。iPhone用アプリケーションは現在350,000以上提供されています。

 そのうちAppleが自ら制作したアプリケーションは50件にも満たなく、99%以上は「Apple以外の第三者」が制作したものとなっています。Appleは第三者が参加できる場所を用意したという点で、「プラットフォーム企業」と言えるでしょう。

 国に関する大量のデータを持つ政府をiPhone市場と同じような「プラットフォーム」にしていこう、というのが「Gov2.0」の動きです。米国では既にかなり進んでおり、例えばdata.govというサイトでは38万件近いデータセットが公開され、941件の官製アプリケーションと、236件の民間によるアプリが提供されています。

 ワシントンDCに特化したgov2.0サイト「DC.gov」では、ワシントンDCで使えるWi-Fiスポットマップ、犯罪情報マップ、バス検索アプリ、駐車場検索アプリなどが提供されています。これらの多くは、政府が公開している情報をもとに第三者が制作したものであり、まさに政府がAppleと同じようなプラットフォームを構築していることが分かるかと思います。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら