【沿線革命003】
上野東京ライン開業で混雑緩和も、どうなる上野の未来?

阿部等(交通コンサルタント)

【沿線革命002】にて紹介した上野東京ラインの建設は、大変な苦難を経てのものだった。また、上野東京ラインが来年の3月に開業して、上野ー東京間に常磐線、宇都宮線、高崎線の線路が増えると、混雑緩和など良いことはもちろんあるが、心配な点もひとつある。

上野東京ラインの走行空間

上野東京ラインは、用地幅に余裕のない神田付近では、東北新幹線の直上にもう一つ高架橋を造る重層高架形式として走行空間を確保した。

JR東日本が2002(平成14)年に発表した計画の中に、下のように図面(http://www.jreast.co.jp/press/2001_2/20020310/pdf/20020310_2.pdf)が示されている。
 

神田付近は重層高架方式により上野東京ラインの走行空間を確保(JR東日本HPより)
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「‰」とはパーミルと読み、「%」の100分の1に対して1000分の1を示す。高架橋新設1,300mのうち、重層部が600m、アプローチ部が350mずつなので、33‰の勾配(1,000mに対して33m上がるまたは下がる)により約12mの高低差となる。

アプローチ部及び前後の区間は8線分、重層部は6線分の用地幅(表記されていない中央線を除く)である。重層部において上野東京ラインが京浜東北線側に寄っているのは、沿線への圧迫感を少しでも少なくするためで、左右均等に過重負担しなくなるのに合わせ軽量の桁を開発した。

密集市街地における重層高架方式の建設工事は、世界に誇れる第一級のもので非常に興味深い。稿を改めて紹介したい。