[BCリーグ]
武蔵・星野おさむ監督「選手に伝えたい“なぜ、ここで野球ができるのか”」

 2015年シーズンより、新球団としてBCリーグに参戦する武蔵ヒートベアーズの監督を務めることになりました星野おさむです。埼玉県は私の生まれ故郷でもあり、野球で育ててもらった地でもあります。高校卒業後にプロ入りし、阪神、大阪近鉄(04年オフにオリックスと合併)、東北楽天と渡り歩いたわけですが、現役最後は地元に近い在京球団でプレーしたいという思いをずっと持ち続けていました。しかし、残念ながらそれはかないませんでした。それだけに、こうして約25年ぶりに野球で地元に帰ることができた今は、恩返しをしたいという気持ちでいっぱいです。

 私は06年から5年間、楽天でコーチをした後、11年からは四国アイランドリーグplusの愛媛マンダリンパイレーツで3年間、監督を務めました。その時のBCリーグの印象はというと、2年先に立ちあがったアイランドリーグに対して、「追いつけ、追い越せ」という強い気持ちを抱いているんだろうな、ということでした。独立リーググランドチャンピオンシップなどを見ていても、それがひしひしと伝わってきました。実際、12、13年と2年連続でBCリーグの球団が独立リーグチャンピオンとなっていますし、勢いを感じていましたね。

 さて、愛媛時代に感じていたのは、独立リーグの監督として大きな仕事のひとつは、選手に次のステージへの道筋をつくってあげることではないかということです。独立リーグに入ってくる選手のほとんどが、次のステージを目指しています。ですから、「ここにいる目的は何なのか」をきちんと確認させることが非常に重要です。しかし、時には野球の道を諦めさせなければならない場合もあるわけです。その場合でも、きちんと社会に送り出せるようにしなければなりません。

 だからこそ、私はグラウンドでのプレー以外の部分を重要視しています。技術・体力的なことというのは、毎日グラウンドに出て努力すれば、ほとんどのことが解決されます。しかし、そこにはプロであるという自覚が不可欠です。すべては言動に表れます。だからこそ、挨拶や礼儀が大事なのです。それは実戦でのプレーにも表れます。私は自覚することによって、選手の伸びしろはいくらでも広がると思っています。

 また、選手たちにどうしても伝えたいことがあります。それは「なぜ、ここで野球ができるのか」ということです。前述したように、私は昨年12月から職員として球団の立ち上げに携わってきましたから、どれだけたくさんの人たちの協力の下、ここまできたかを実際に見てきました。だからこそ選手たちにも、「支えてくれる人たちがいるから、こうして自分たちは野球ができるんだ」ということを、ぜひ知ってほしいのです。そして、そのことを肝に銘じ、努力してほしいと思っています。