日本人一人ひとりが行動を起こすために、「頭を前向きにする習慣」を! (第3回)
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実行できる人になる

前回に続き、『頭を前向きにする習慣』についての第3回をお送りする。

第1回でご説明したような日本の根本的な危機について誰に話しても、反論はあまりない。ただ、私の話を聞くまでこの問題を深刻に考えていなかった人の方が多いし、そういう人たちは、聞いたからと言って具体的に何かを変えようというわけでもない。

円安にともなう一部企業の好景気と株高は、一見明るい話題を提供してくれるが、国際競争力の低下という日本の本質的問題を解決してくれるわけではない。

私は、日本人がいわゆる「ゆでがえる」状態にあると考えている。深刻な問題が起きているのに、変化が少しずつなので、あまり気がつかず、のんびりしている。あるいは、問題に気づかないふりをして、日々過ごしている。気がついたときには、すでに手遅れになってしまう状態だ。

鍋がもっとぐらぐら煮えている状況でも、ほとんどの日本人は変わろうとしない。企業も一部を除いて、この状況に本気で対処しようとしていない。ハングリー精神が強い人に出会うことはまずない。

一方、世界はすさまじいスピードで変化し、激烈な競争をくりひろげ、ダイナミックに発展している。頑張れば、かなりの確率で成功する。頑張らなければ、家がなく、食べ物がなく、治療が受けられず、家族もなく、死ぬという状況が待っている。

その差は実にはっきりしていて、誤解の余地がない。「頑張って成功する、生き残る」「必死になって働いて、家族を助ける」という概念は当然だし、ハングリー精神が強いとか弱いとかいう話自体、多分ないのだと思う。世界はいま、「ハングリーにやるしかない新興国」と、「ハングリーにやると素晴らしい成果を得られる欧米諸国」と、「ハングリー精神を忘れてしまった日本」とに分けられるのではないだろうか。
 

頭を前向きにする習慣』
著者= 赤羽雄二
幻冬舎エデュケーション新書 / 定価840円(税込み)

◎内容紹介◎

「成長し昇進するか、会社を辞めるか」---常にその選択を迫られるマッキンゼーでのハードな仕事を支えたのはA4一枚の「メモ書き」だった!
●A4の紙1ページに、1件の課題を書く
●1ページ1分以内で書き切る
●頭に浮かんだ感情も、洗いざらい書き出す
瞬時に課題を認識・整理・解決、そして意思決定まで進める「ゼロ秒思考」を鍛えれば、頭も気持ちも軽くなり、考えが明確になる。マッキンゼーで14年間活躍した著者が行きついた、人生に好循環を起こす画期的思考法!

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自分のいる会社がどうなるか、誰にもわからない。ある日突然、外資系になり、「ハングリーでない人はいらない」「3ヵ月以内に結果を出せない人はいらない」と宣言されるかもしれない。安定的な事業を数十年やっていたところに、外資系や異業種が新規参入してきて、非常識な価格破壊で一気にシェア1位になってしまうかもしれない。

好調な会社もあっという間に競争力を失う時代に突入した。ポテンシャルを活かしきっていない低成長な会社がグローバル企業に買収され、コア事業以外を切り売りされる可能性も高い。そこには日本的な温情はない。何倍もドライだと考えておいた方がいい。どちらがいいということではなく、大半の日本企業の競争力の低下から考えて、何が起きても不思議はない、ということだ。最高益更新の日立製作所ですら、時価総額は4兆前後であり、米GEの1/8に過ぎないのだから。

こういう時代に、評論家、批評家はいらない。各社が、各人がさっさと行動し、結果を出すべき時期だ。一人ひとりがこうだと思ったら、行動し、自分としての結果を出す必要がある。自分一人さぼっても全体では何とかなる、ということはもはやない。

世の中には色々と助言してくれる人がいる。ただ、こちらのためを本当に思って真剣に助言してくれているのか、ねたみや意地悪から来ている言葉なのか、細心の注意を払って見極める必要がある。真剣な助言ならあくまでこちらを思ってのこと。理由も背景も具体的なアクションも包み隠さず話してくれる。こちらの気持ちがすっきりして、明るくなる。やる気が出てくる。

ねたみや意地悪の場合は、常に含みを持たせた、こちらを混乱させるような言い方が続く。味方すると言っておきながら、混乱させるような、冷や水を浴びせかけるような意味深な一言を付け加える。いいお話をしてくれたと思うのに、「なるほど、こうすればいいんだ」という気になぜかならず悩みが増える。

支援してくれている割に、会う度に微妙な気持ち、ちょっと嫌な気持ちになる時は注意した方がいい。意図的に操作されている可能性がある。悪意でこちらを悩ませて、楽しんでいる。そういう人には二度と相談しない方がいい。

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