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全国に100万台以上!持ち主が知らずに乗っている これが「タカタ殺人エアバッグ」搭載の全車種だ
ホンダ トヨタ 日産 マツダ スバル BMWほか

命を守るエアバッグが凶器に変わる。「タカタ製エアバッグ問題」の裏には自動車メーカーの焦りと部品メーカーの実情、アメリカの思惑が交錯していた。世界の安全を揺るがすこの問題の背景とは。

手榴弾並みの破壊力

「タカタのエアバッグ問題は、いまや全世界で1600万台の自動車がリコール対象車になるという前代未聞の規模にまで拡大しています。日本でも、各自動車メーカーで総計260万台以上のリコールが発生している。深刻なのは、そのうち100万台以上もの自動車が問題のエアバッグを搭載したままだという点です。タカタ製エアバッグの事故映像を見ましたが、爆発の衝撃は、小型の手榴弾ほどの威力とさえ言える。非常に危険な状況です」

自動車評論家の国沢光宏氏は、こう警鐘を鳴らす。

エアバッグが作動した瞬間、風船を膨らませるためのガス発生装置が破裂し、飛び散った金属片が体を切り刻む—。自動車部品メーカー・タカタの「殺人エアバッグ」が今、世界を恐怖に陥れている。

「現在までに、このエアバッグが原因とされている死亡事故はアメリカとマレーシアで5件発生しています。全世界で起きた負傷事故は100件を超え、今後も増加することが予想されます」(全国紙経済部デスク)

幸いなことに日本ではまだ人的な被害は起きていないが、これは対岸の火事ではない。一歩間違えれば大惨事となる事故が、すでに国内でも起きているのだ。前出の国沢氏が続ける。

「今年1月に静岡県で起きた事故は、タカタ製エアバッグの危険性を物語っていました。電柱にぶつかったトヨタ・カローラ'02年モデルの助手席エアバッグが破裂し、飛び散った部品が後部座席に引火したのです。もし車内でエアバッグが爆発すれば、死に至る高温の部品が目の前を飛び交うことを意味しています」

次ページに掲載した表をご覧いただきたい。これは、国内のリコール対象車のうち、100万台以上にのぼる未改修の車種一覧表だ。フィット(ホンダ)や前出のカローラ(トヨタ)など人気車種がずらりと並び、BMWの中核を担っている「3シリーズ」も軒並み名を連ねている。その車種の総計は、実に81種(11月27日現在)。これらすべての車種で、表中に記載されている製造年のものが、今この瞬間も国内を走り続けているのだ。

各自動車メーカーはリコール対象車の所有者へダイレクトメールを送るなどして、改修率の向上を図っている。それでも、達成率は決して高いとは言えないのが現状だ。

「メーカーとしても、転売を重ねられた自動車については、現在の所有者が誰なのか把握しきれない、というのが本音でしょう。最終的には、所有者自らがリコール対象車であるのかどうかを確認するしか手立てはありません」(業界紙記者)