「日銀・追加緩和策への期待」というリスク
バブルは、はじけて初めてバブルとわかる

黒田日銀総裁にはさらなる禁輸緩和策発表が期待されてしまっている   photo Getty Images

米国の11月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が+32.1万人の増加、失業率は5.8%となった。非農業部門雇用者数事前予想は+23万人であったとことを考えると、大きなポジティブサプライズだった。為替市場では、それをきっかけに121円台にまでドル高・円安が進んだ。米国の予想以上の堅調な指標は、いまのところドル買いを支えている。

一方、わが国が抱えるリスク要因にも目を向ける必要がある。最大の懸念の一つは日銀の金融政策だ。10月末の追加緩和は消費増税の環境整備という大義名分のもとに実施された。だが、その論法は増税の延期と総選挙の実施によって効力を失った。「今後も、何かあれば日銀は追加緩和策を打つだろう」という心理的バイアスを市場にうえつけてしまった。

マイナスに落ち込んだ国債利回り

12月に入り、市場が日銀の追加緩和を強く期待していることを示す動きが現れた。国債の流通利回りがマイナスに落ち込み、12月4日には3年国債の利回りが▲0.004%となった。知り合いのファンドマネージャーは、「もう国債を運用する意義は見いだせない」と話していた。

意図したか否かに拘わらず、黒田総裁は10月の追加緩和によって、市場に景気悪化には追加緩和という偏った期待を与えてしまった。事実、足許の景気は弱い。そのため、国内市場は景気後退には追加緩和という単純な論法に駆られている。

株価の上昇や円安の進展も、追加緩和への強い期待が支えている。国債流通市場は日銀がコントロールする官制相場の様相を強くするだろう。それは国債市場からの資金流出を促し、株式、外貨建て資産等への資金流入を支えるだろう。

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