[NBA]
杉浦大介「ブルックリンの光は消えるのか」

~移転3年目にして停滞、ネッツの未来~

スター選手補強も薄れる期待

チームの顔役が期待されたデロン・ウィリアムスもかつての輝きを失ったままだ。Photo By Gemini Keez

「大半の読者はほとんどブルックリン・ネッツに興味がない。ネッツには好選手はいるけど、一般の関心を呼べるスターがいない。唯一面白いのはケビン・ガーネットくらいだが、最近はあまりメディアと話さないからね」

 NBAの2014-15シーズンが始まって約1カ月の11月下旬のこと――。ネッツの報道を減らす方向だというある大手メディアの記者が、筆者にそう語ってくれた。その彼は、同じニューヨーク市内でも比べものにならないほどに話題豊富なニックスの番記者に転向するという。

 1957年9月に幕を閉じたMLBのドジャース以来、初めてブルックリンに本拠を置くプロスポーツチームとして、ネッツは2012年に華やかにスタートを切った。シックな装いの本拠地バークレイズセンターのオープンに際し、ロシア人オーナーのミハイル・プロホロフ氏がこう語ったのは記憶に新しい。

「人生のうちで、街の運命が変わる瞬間を目撃できる人はそれほど多くはいるわけではない。新たなシンボルであるバークレイズセンターのオープンを目撃できた我々も、幸運であると言ってよいのだろう」

 しかし……それから2年強が過ぎ、ニュージャージーからブルックリンに移転した新球団の新鮮味は消えてなくなった。ケビン・ガーネット、ポール・ピアースらを獲得して必勝態勢で臨んだ昨季も、結局はプレーオフ第2ラウンドで敗退。今季は最初の17戦で8勝9敗と出遅れ、上位進出の期待は薄れ始めている。

勝利の使者となるかと思われたケビン・ガーネットも、加齢とともに神通力をなくしてしまった。Photo By Gemini Keez

 このチームづくりの過程でドラフト指名権を譲渡してトレードを行ったため、1位指名の権利は2019年まで保持していない。FA選手を獲得するために必要なキャップスペースも残っていない(NBAではサラリーキャップ規定がある)。現戦力が頭打ちなだけではなく、将来的なポテンシャルも感じられない。こんな現状を見る限り、高齢のスター選手を集めるギャンブルは失敗したと判断せざるを得ない。

 こうして停滞する間に、新しいもの好きなニューヨーカーのネッツに対する興味はすでに薄れてしまった感がある。本人はとりあえず否定しているが、プロホロフオーナーが早くも球団経営権を譲渡するとの噂まで飛び出す始末。そんな状況では、冒頭で挙げた地元メディアの判断も仕方ないのだろう。