【解散総選挙特集】棄権による安倍政権信任だけは避けよう
「解散に大義なんて、そもそもない。今回は特にない」

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Gbiz: みなさんこんにちは。「古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン 動画版」の今回は第23回となります。 古賀さん、よろしくお願いいたします。

古賀: よろしくお願いします。

Gbiz: まずは衆議院が解散しました! というあたりからお願いします。

古賀: 今日はやっぱり衆議院の解散の話になっちゃいますけれども解散に大義があるのかという話をしています、よくあちこちで。答を単純に言うと冷めた言い方ですけど解散にはある意味、大義なんてないんですね、いつでも。

Gbiz: 常に大義などない、と。

古賀: ええ。解散する権限というのはとにかく総理しか持っていないので、総理から見て4年間の任期の間にどこでやるのが1番いいのかなと。それはあくまでも総理あるいは政権政党の都合で決めて、ただそのときにもっともらしい理由をつけて、それが大義だと。
1番有名なのは最近だと小泉さんの郵政解散。これはわりとわかりやすかったですし、野田さんの三党合意で増税と定数削減とか、そういうのを一緒にやりますよというのを決めてやる。あそこら辺もわりとなんとなく大義があるように見えるんですけど、結局のところはそれでやったほうが自分に何か、得になるんじゃないかということでやっているという意味では大義はないということなんです。

今回の場合は特にないという(笑)。普通は大義というのは何か、説明したときにそれはそれなりに、それは1つの理屈だなっていう程度のものはあるのが普通だと思うんですが、今回は言い終わる前から「それはおかしいでしょ」とみんなが言いそうな。

消費税の増税を延期するので国民に信を問います! いや、おかしいんじゃないの。だって法律にそもそも書いてあったわけですよね。増税はしますよというのはもちろん書いてあるんですけど、もしもそのときに景気が悪かったらやめましょうと法律に書いてあるわけですから、今、2期連続でGDPがマイナス成長で普通だったら景気後退という認定をするかどうかというところなんですけれども、それくらい悪いという認識において、だれにも異論がない。

そうすると法律に書いてある内容から見るとそういうときはむしろ延期しなくちゃいけないんですね。

Gbiz: 法律どおり。

古賀: 法律どおりに。だから法律のとおりにします。本当にいいんでしょうかというのはちょっと理屈に合わないなというふうに言われちゃったんですね。言われたんで、いろいろな人が総理の周りにいるブレーンとかが一生懸命考えて頭を悩ませて、いや、税制というのは民主主義の根幹だ。「代表なくして課税なし」とか、いろいろ言ったんです。

けれど、税制は民主主義のもちろん根幹なので、だから昔の王様が税金を、あるいは年貢を出せとか、勝手に決めるんじゃなくてちゃんと国民の代表が決めるんですよということで国会で税については必ず法律をつくって課税するということをやっているんです。そういう意味で国会で税法の改正をすれば、それでわれわれの代表が決めたことになる。

まったく想定外なだれも何も考えていなかったような税金を突然とります。そういうことやるときはできればもう1回、信を問うというのはわかりますけれども、全部予定どおりの話なのに、何でやるのかなということです。それから民主主義の根幹だと、何か、偉そうなことを言っちゃったものですから、みんながだったら集団的自衛権を解釈で変えちゃうってこれは憲法改正でしょ。

Gbiz: 信を問わなきゃいけないですよね。

古賀: 憲法改正。憲法というのは民主主義の根幹じゃなかったんですかね、安倍さん、ということをまた言われたり、また特定秘密保護法も憲法が保障する表現の自由、知る権利をどうするかという話で、これも民主主義の根幹じゃないですかねということで、安倍さんがもし税だけが民主主義の根幹で他のことは民主主義の根幹ではないと。僕は前、ツイートしたんですけど、安倍さんは「俺は憲法の上に立つんだ」と言っているような感じで、税だけは聞いてやるよって、何か、変だなという感じがしますので、大義論というのは不毛なんですけど、大義はないことはわかっているけれど、あるよという説明もあまりにもひどいなというふうに思いました。

もう1つ、大義論は別にして消費税を見送るという大変な決断なんだ。それで信を問うというんですけど、これは実質的にはもう民主党も増税延期に賛成していますので、少なくとも今回、増税しないということについてはだれも反対していない。共産党とかはそもそも消費税の増税を一切やめろということなので、そこはある程度、対立は残っていますけれども、他の野党はいつかは増税というのは否定していないので、そうすると基本的に自民党と方向性が同じなんですね。ですからこれもちょっとここで信を問うと言われても。
だから有権者は絶対間違えちゃいけないのは安倍さんに投票すれば増税は延期してもらえるんだということではないんですね。民主に投票しても維新に投票しても増税は延期するという話なので、そこを勘違いして安倍さんがせっかく増税を延期するとがんばってくれているんだから投票しちゃおうという間違ったことをしないようにお願いをしたいなと思います。

三党合意を変えるんだ、変えないんだという話をしているんですけれども、三党合意は実は非常に政治的に大きな意味があったのは消費税の増税というのは非常に国民から見ると不人気な政策なので、どの政党もやりたくないんですね。

そうすると本当は上げなくちゃいけないのになかなか上げられなくて財政再建が遠のく、あるいは財政がどんどん悪化するということになってしまいがちだと。あの三党合意にはちゃんと書いてあるんですけど増税するかしないかの判断を含めて、それは時の政権がやるんだと。つまりそれを事前に合意しておくことによって増税反対だ、選挙をやれ、解散だということを言えなくするという意味があるんです。

つまり消費税の増税について政争の具にしないということで選挙じゃないときにあらかじめ合意をしておきましょうねという意味があったんです。

ところが今回、安倍さんがやっていることは三党合意に基づいて本当は淡々と判断していきます。景気がよくなったらまたやりますと言えばいいだけの話をまた政争の道具にしちゃったということなんですよ。

これを1回、やっちゃったら今度、また来年、再来年の参議院選挙のときには必ず民主党は次の年に延期されるわけですよね。もし安倍政権が維持されれば17年4月ですか――の消費税増税には反対だと言って参議院選を戦うという選択肢が出てきちゃうんですね、三党合意を壊しちゃうことによって。

あれを壊さないで単純にあの三党合意に基づいて、ちょっととりあえず延期します。でも景気がよくなったらやりますよと言えば、これは民主党も三党合意に縛られて何の心配もなく増税できるんです。

ところがこれをぶち壊しにしたというのは非常に政治的には重い意味がある。ポピュリズムに走ったということをいわれてもしょうがないなと思うんですね。僕は野田さんを別に全然、擁護するつもりでも何でもないんですけれども、そういう意図で三党合意をつくった野田さんの努力というのはこれで完全に水の泡になったということ。これは非常に大きな意味があると思います。・・・・・・(以下略)

古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン
vol.111(2014年12月5日配信)より

【メルマガ目次】

1.追加号外 自民党がTV局に送り付けた「報道統制」ペーパーを入手!

2.大特集!解散総選挙「棄権による安倍政権信任だけは避けよう!」
 ●解散に大義なんて、そもそもない。今回は特にない
 ●各党の公約を比較する――争点はアベノミクス!?
 ●小泉進次郎議員からの質問
  ▼【各党公約比較】アベノミクス
  ▼【各党公約比較】 集団的自衛権、特定秘密保護法
 ●原発廃炉のコストつけ回し