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緊急鼎談 田村秀男×山崎元×中原圭介「株式会社ニッポン」に未来はあるか
「日本の景気」をとことん語り尽くす

本当に上がるのか?
「2017年4月、消費税10%導入」を語る

田村 安倍首相は、来年の消費増税を延期しても、'17年4月に確実に上げると宣言しています。おそらく、そのときに安倍さんがまだ総理の座についていれば、消費税は10%に上げられるでしょう。しかし今後'17年にかけての景気の動向次第では、安倍さんが政権の座から下りるということもありえます。その場合は非常に経済状態が悪く、アベノミクスが失敗に終わったということになるので、やはり増税はまずいのではないかという雰囲気になるのではないでしょうか。

山崎 安倍首相は増税を'17年に延期するに当たり、景気条項を入れないと明言しています。つまり、「どんなに景気が悪い状態であっても消費税は上げますよ」ということ。増税延期に反対していた財務省対策という意味合いが強いと思いますが、'17年4月という期限を区切ったことは非常に危険なギャンブルだと思います。

中原 私は、増税を'17年と決めて延期するべきではなかったと考えます。日銀が今のペースで量的緩和を続ければ、'17年は緩和縮小への転換に迫られるのではないかと読んでいるからです。増税と緩和縮小という最悪で最も危険な組み合わせが'17年に起こる可能性が高いのです。確かに来年増税すれば、景気は一層悪くなりますが、'17年と決めて増税するよりは、先にやったほうがましだったと思います。

山崎 しかし、アベノミクスはデフレ脱却が最重要課題のはずです。日銀が金融緩和を押し進める日本とは逆に、米国では来年中盤から終盤にかけて出口戦略で金融引き締めの方向に向かうことが決定しています。米国発のマネーが回収されていく中、日本がデフレを克服していくのはなかなか難しい課題でしょう。

中原 どのような政権であっても、増税は避けたいに決まってます。景気が悪いからといって先送りしていれば、いつまでたっても増税できません。そうならないため一昨年、3党合意をしたはずなのに、安倍首相がちゃぶ台をひっくり返してしまったことになります。

田村 ですが、いまの日本経済はアベノミクスで上昇していたのに途中でエンジンが逆噴射してしまい、墜落寸前のジャンボ機のようなものです。今年度の実質経済成長率はマイナスになる可能性だってある。財務省寄りのアナリストたちは、7-9月期に消費が落ち込んだ理由を「天候不順」や「エボラ出血熱」のせいにしていますが、そんなはずはありません。明らかに消費増税の影響が出ているのです。

増税延期を決める一方で、安倍首相は周辺のスタッフに命じてウォール街の反応を探っています。今回、増税延期が日本売りの材料にされないかリサーチしているのです。おそらく'17年に延期することは問題ないでしょうが、再延期となると海外の反応も変わってくる可能性があります。

中原 いずれにせよ、'17年までに日本経済が上向く要因というのは見当たらないですね。戦後、日本が経験したことのない景気後退とインフレの同時進行(スタグフレーション)が待ち受けている可能性が高い。特に来年1-3月期の落ち込みが心配です。

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