賢者の知恵
2014年12月12日(金)

社員教育にはまず「心」ではなく「形」を揃えることが大事!
中小企業のカリスマ・小山昇氏×『会社はムダが9割』著・山口智朗氏が語る「会社のムダをなくす極意」

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業績をあげるためには、会社のムダを省き本業に徹することが肝心。中小企業のカリスマ、株式会社武蔵野小山昇社長と、『会社はムダが9割』の著者、株式会社ISO総合研究所の山口智朗社長が、会社のムダを省く極意について語った。

* * *

 

株式会社武蔵野 代表取締役社長 小山昇氏

小山 武蔵野もISO総研さんにお願いする前は、自社でISOやPマークの認証取得や運用をやっていました。いま考えると本当にムダだった。

専門に担当者をつけてノウハウを覚えさせてようやく運用できるようになって、ヤレヤレと思っていると、人事異動で担当者が変わってまたイチからやり直し。そんなことがたびたびありました。

手間がかかる割には、ISOやPマークの認証を取得したからといって、別にそれ自体が利益を生み出すわけじゃない。これならアウトソーシングした方が絶対得だと思って山口さんにお願いしました。

山口 初めてお手伝いさせていただいたときのことは私もよく覚えております。武蔵野さんのような超優良企業をもってしても、会社のムダを完全に無くすことは難しいことなんだと、私自身、痛感させられた出来事でした。

とはいえ、ISOやPマークの認証・運用が「非生産活動」であるにもかかわらず、いまだに多くの社長さんが経営資源を無自覚にそこへ投入しています。当社はISOやPマークの取得の代行から取得後の運用の代行まで行います。

ISO・Pマークは取得のタイミングだけでなく、取得後も非常に手間がかかるもの。当社ならその全てを代行するので、お客さまはコストを最小限に抑えつつ本業に専念していただけます。その点が認証取得のノウハウを提供するだけのコンサルティング会社などと大きく異なる点です。

小山 いくらコンサルティング会社に立派なノウハウを伝授してもらっても、自社で運営でき、実務が変わらなければ業績はよくなりません。武蔵野もISO総研も顧客企業の実務を変えるためのお手伝いをしている点で、事業に対する考え方は共通しているのかもしれません。

山口 それは光栄です。私自身も小山社長の経営ノウハウを何とか真似したくて、現地見学会に行き、経営サポート会員にもなりました。「事業領域をもっと狭く深くしなさい」というアドバイスをいただいたのが大きな転機となりました。

小山 確かに以前の山口社長は、あれもこれもやり過ぎの印象があって成果が出にくいと思いました。今日の武蔵野があるのも事業領域が狭く深いから。中小企業はその方が利益も出やすく、人も育ちやすい。自社が提供しているサービスのうち、お客さまの需要がもっとも高いものを見極め、経営資源を集中させる。その他の業務やサービスは縮小するか外注するか、あるいは潔く切り捨てた方が業績は上がります。

株式会社ISO総合研究所 代表取締役 山口智朗氏

山口 「環境整備」も大きな効果がありました。当社は中途採用を活発に行っています。社員が増えるのは喜ばしいことですが、毎朝の環境整備を実践して、社員の意識が揃っていないことを痛感しました。

小山 武蔵野では「毎朝30分の掃除」のことを「環境整備」と呼んでいます。仕事をやりやすくする「環境」を「整」えて「備」えること。物の向きをそろえたり、置き場を決めたり、物を捨てたり、きれいに磨いたり、目に見えるものの「形」に徹底的にこだわります。

多くの会社で社員教育がうまくいかないのは「形」ではなく「心」を揃えようとするから。社員の心を一つにするためには、まず「形」を揃えることが重要。「形から入って心に至る」――。これが環境整備の神髄です。

山口 環境整備の甲斐もあり社員のコミュニケーションがよくなり、「心」が一つにまとまっていくことを実感しました。全てのものが定位置に置かれているので、何かを探すといったムダも省けます。

おかげさまで先月の環境整備点検でようやく満点を出すことができました。始めてから1年半かかりました。

小山 1年半は早い方です。武蔵野は定着するまで4年もかかりましたから(笑)。今回出版された山口社長の書籍のテーマは「ムダを省く」。これを読んで武蔵野にもまだまだムダがあることに気が付きました。

山口 ありがとうございます。これまでさまざまな会社の改善をお手伝いさせていただく中で気づいた、ISOやPマークだけに留まらない会社のムダをテーマに、発見と改善のために何をすればいいかについて書きました。

小山 本当はムダなのに、ムダだと気がついていないものはどこの会社にもありますからね。

山口 例えば見積書。作成する際、「原価がこれぐらいで、配送費がこれくらいで・・・」と計算して書類を作り、複数の上司と社長の決裁もらって、ようやく取引先に提出するという会社は少なくありません。私はこのすべてがムダに思えます。

小山 経営で大切なのはスピード感。社長の意思決定や日常業務ではスピード感が何より大事です。

山口 当社ではISOとPマークの新規取得にかかる費用は「30万円」と決まっています。だから私が見積書に目を通すことはありません。依頼されたら10分で見積書を送ることができますし、この方式で困ったことは一度もありません。

小山 先にも話したように、とにかく社長は社長業に専念すること、そして本業に特化して不得意なことはやらないかアウトソースする――。そうすれば業績は自ずとついてきます。多くの社長にこの本を読んでいただき、ムダを省くきっかけになることを私も期待します。

<了>

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