磯山友幸「経済ニュースの裏側」

公務員ボーナス2ケタ増! 世界有数の赤字組織がアベノミクスの恩恵享受、おかしくないか

2014年12月03日(水) 磯山 友幸
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アベノミクスの恩恵は霞が関の住人たちに     photo Getty Images

安倍晋三首相が目指す「経済の好循環」がひと足早く実現する“業界”がある。国家公務員だ。

国家公務員は賞与16.5%増という試算も

12月10日に支給される年末ボーナスは前年に比べて11%以上の大幅増額になる。4月の消費税率引き上げと同時に、給与も8.4%増えており、まっ先にアベノミクスの恩恵を享受している。

民間では円安による企業業績の好調がなかなか給与や賞与の増加に結びつかず、むしろ物価上昇によって実質賃金は目減りしている。国が抱える借金は昨年、1000兆円の大台を突破、世界有数の赤字組織のはずだが、リストラするわけでもなく、ボーナスが大盤振る舞いされる。何かおかしくないだろうか。

ボーナスが大幅に増えるのは2012年度、2013年度と2年間にわたって実施されていた減額措置が今年度から終了したためだ。「我が国の厳しい財政状況及び東日本大震災に対処する必要性に鑑み」給与減額支給措置が取られ、給与は平均7.8%、賞与は約10%が減額されていた。4月から7.8%減が元の水準に戻ったので、給与は8.4%増加。ボーナスは10%減が元に戻るので11%以上増えることになる。

さらに、今年8月には人事院が月給を0.27%、賞与を0.15カ月分引き上げるよう勧告しており、これもボーナスには反映される。民間のシンクタンクによっては、賞与は16.5%増えるという試算もある。

特例で減額が決まった引き金は東日本大震災だった。復興のための財源をねん出するためだとして所得税や法人税に「復興特別税」が上乗せされた。民間に増税を求めるうえでも政府が身を切る姿勢を示すことが不可欠だったのだ。法人復興税は前倒しで廃止されたが、所得税への上乗せは25年間ということになっており、今も続いている。年間の税収増は、所得税の上乗せ分だけで3000億円にのぼる。

特別措置による国家公務員給与の削減額は3000億円程度だったので、今年度はその分がそっくり増える。復興税は被災地に使うことになっているが、カネに色があるわけではない。増税分がそっくり公務員給与に回ったと見てもいいだろう。

今回の賞与増について霞が関では、「特別措置が終わったのだから、元に戻るのは当然だ」という反応が多い。民間企業では一度減ったボーナスはなかなか元に戻らないが、霞が関の常識は違うのだろう。

特例措置の前提だったはずの、「東日本大震災への対処」も終わったわけではない。ましてや、「厳しい財政状況」はまったく改善していない。国債費などを除いた一般の歳出を税収で賄なうプライマリーバランスさえ達成していない。単年度赤字を出し続けている会社が、ボーナスを大幅に増やすなどということは、民間の常識では考えられない。

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