AI革命最前線---脳科学との融合で不可知の未来へと踏み出す
最新鋭のニューラルネットを搭載し、自らの経験から学ぶことで成長するイタリア技術研究所のiCub

ますます身近になるAI技術

幾度かの冬の時代を経て、AI(人工知能)が今、再び脚光を浴びている。AIとはコンピュータや自動車、あるいはロボットなど様々な機械に、人間のような知能を持たせる技術だ。

たとえば今、世界的な開発が進む「自動運転車」、スマートフォンを話し言葉で操作できる仮想アシスタント「Siri(シリ)」、室内のゴミを自動で回収してくれる「掃除ロボット」、プロの棋士を次々と打破する「将棋ソフト」、稚拙ながらも人間と会話する能力を備えた家庭用ロボット「ペッパー」など、最近話題になっている様々な新製品には、いずれも何らかのAI技術が搭載されている。

AIは1950年代、米国を中心に研究開発が始まった古い技術だ。その後、1960~70年代前半、そして1980年代と2回ほど大きなブームを迎えた。特に1980年代には、日本の通産省(当時)が推進する「第五世代コンピュータ計画」をはじめ世界的なAI開発ブームが巻き起こった。

この頃のAIは「ルール・ベースのAI」と呼ばれ、文字通り私たちの世界を構成する様々なルール---たとえば「言語の文法や語彙」、あるいは「医師の診断スキル」や「油田探索のノウハウ」など---をコンピュータをはじめ様々な機械に移植する方法が主流だった。

が、杓子定規のルールに従うAIは、変化と多様性、そして例外に満ちた現実世界ではほとんど役に立たなかった。このため当時のAIは研究開発段階では注目を浴びたものの、商業的には大した成果を上げることなく終わり、その後「AIの冬」と呼ばれる低迷期に入った。

ガルリ・カスパロフ氏とIBM製のスパコン「ディープ・ブルー」の対局 〔PHOTO〕gettyimages
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