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「エイズ感染」告知後に5人をレイプ 失意が生んだ戦慄の犯行手口

「一生、刑務所から出さないで」

それは、あまりにも身勝手な犯行動機だった。HIVに感染していることを知り、将来を悲観し自暴自棄になった男が、見知らぬ女性5人を強姦—。前代未聞のレイプ事件の一部始終を記す。

そのまま膣内に

〈被害者らが感じた恐怖と絶望と屈辱は、想像を絶するものがある〉(判決文より)

11月14日、横浜地裁で一つの判決が下された。被告人は三木英夫(49歳)。罪状は強姦、強姦致傷、住居侵入、窃盗で、懲役23年の実刑判決だった。三木は5人の見知らぬ女性を次々と強姦した後、金品を盗んだ容疑で神奈川県警に逮捕されていた。

5人の女性をレイプ、その事実だけでも十分すぎるほど非道だが、今回の事件では、さらにそれを超える「特殊な事情」が逮捕後、明らかになっている。

三木はエイズウイルス(HIV)に感染していた——。

しかもそのことを知っていながらレイプに及んでいたのである。事件を取材した全国紙記者が語る。

 

「自身がHIVに感染していることを認識していながら、無差別に女性をレイプするなんて、国内では前代未聞です。しかし、この事件はテレビも新聞もほとんど報道していません。被害者への配慮というのがタテマエですが、『あまりにショッキングで、扱えない』というのが正直なところでした」

三木が最初に犯行に及んだのは、'12年7月8日のことだった。被害者は横浜市内のマンションで一人暮らしをしていたA子さん(当時21歳)。午前2時頃、無施錠の玄関から堂々と侵入した三木は、寝ているA子さんの口を手で塞ぎ、そのまま首元から肩付近を押さえつけ、こう脅した。

「静かにしろ。騒ぐと殺すぞ」

三木は、恐怖で身動きができないA子さんに対して、さらにこう続けた。

「服を脱げ」

タンクトップを脱がせ、それを彼女の顔面に巻きつけて目隠しする。視界を遮られ怯えるA子さんを、三木は避妊具すら装着せず、強姦した。

強い痛みを感じたA子さんが「やめて」と懇願したが、三木は「だんだん気持ちよくなってくるから」と卑劣な言葉を発し、彼女の首や足の付け根を押さえつけ、姦淫を続けた。そして、膣内に射精したのである。

A子さんにとって悪夢のような時間は、三木が部屋から立ち去るまで45分間、続いた。三木が去ったあと、A子さんは下腹部に鈍い痛みを感じた。無理やり挿入されたため、膣壁裂傷を負ってしまったのだ。

検査結果を待つ不安

三木の凶行は続く。8月には藤沢市に住むB子さん(当時22歳)のマンションに、無施錠のベランダから潜入。首をタオルで絞め、両手をそのタオルで縛った後、自らの陰茎を舐めさせ、またしても避妊具を装着せずに行為に及んだ。

さらに三木はC子さん(当時22歳)、D子さん(当時25歳)、E子さん(当時23歳)と、最初の犯行から4ヵ月の間に合計5人もの女性をレイプした。犯行後、財布や現金、下着などを盗んでもいる。

三木は、行為中の動画を携帯電話で撮影しており、一部の被害者には「もし警察に通報したら、この動画をばらまくぞ」と脅し、口止めしていた。また、性玩具を使って被害者女性の陰部を弄び、肛門や膣にシャワーホースで湯を入れるなどの凌辱行為も行った。三木の犯行は常軌を逸しているとしか言いようがない。

その一方で、三木には計画的な一面も見られた。防犯カメラを避け、犯行後、濡れたタオルで指紋をふき取る隠蔽工作をしている。捜査関係者が語る。

「三木がシャワーホースを使ったのは、膣内に残った自分の精液を洗い流し、証拠を隠滅しようとしたからだとも取れる。また三木は一人暮らしの女性のワンルームマンションを事前に探し、無施錠がちな部屋に目星をつけていた。犯行当日、その部屋が無施錠であるかを試し、女性が一人しかいないことを確認した後、強姦に及んでいることから、犯行は計画的だったと考えられる」

裁判では、被害者女性たちが捜査員に語った悲痛な声が公開された。

「電気を暗くすると眠れなくなった。常に不安を抱えて生活しています」
「出歩くときは周囲を極度に警戒してしまう。もう誰とも結婚できないし、友人にも言えない。真っ暗な未来しか描けません」
「私の人生は終わったと思い、いっそ死んでしまおうかとも考えました」