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台湾の統一地方選挙で国民党が大敗---今後、「左派回帰」と「政治的無関心」の波が東アジアを覆うのか?
台北の市長選に勝利した民進党系無所属の柯文哲氏 〔PHOTO〕gettyimages

「今日の台湾」を研究すれば「明日の日本」が見えてくる

選挙取材で台湾を訪れた。4月に学生デモを取材して以来、7ヵ月ぶりの台湾だった。

えっ、選挙は日本でしょう? と思われるかもしれないが、11月29日、今後の東アジアの行く末を占う重要な統一地方選挙が、台湾で行われたのだ。それは中華民国(台湾)の22の県と直轄市の県知事、市長、地方議会の選挙だった。

なぜこの選挙が重要かと言えば、台湾は「東アジアのアンテナ」になっていて、台湾で起こったことが韓国に飛び火し、韓国で起こったことが日本に飛び火するからだ。

例えば、台湾では国民党が55年間も長期支配を行った末、2000年に民進党の陳水扁が総統(大統領)に当選を果たし、左派政権が始まった。その2年後、韓国で廬武鉉が大統領に当選し、韓国でも左派政権が始まった。そしてそれから7年後、日本で自民党支配が崩れ、左派の民主党政権が始まった。

日本が民主党ブームに沸いていた2009年の前年には、すでに台湾は「次のサイクル」に入っていた。民進党は清廉潔白かもしれないが、経済と外交防衛オンチで、台湾経済と中国との関係は悪化の一途を辿った。それで台湾国民は、「国民党には金権政治家が多いが、まだマシだった」と思い始め、国民党が復権したのである。それがいまの馬英九政権だ。

韓国でも同様に2008年に、右派の李明博政権となった。理由はやはり「廬武鉉は清廉潔白だったが、あまりに経済と外交防衛オンチだった」という民意だ。いまは周知のように、李明博と同じハンナラ党出身・右派の朴槿恵政権になっている。

日本は、台湾や韓国と「周回遅れ」で、2009年に自民党政権が崩壊し、民主党政権に移行した。ところがやはり、経済と外交防衛があまりに稚拙な民主党政権に国民が辟易し、2012年の年末に、いまの安倍晋三自民党政権に戻ったわけだ。