平野未来 Cinnamon 共同創業者・CEO
「新しいコミュニケーションでアジアの人々の生活を変える」

平野未来(ひらの・みく)さん
Cinnamon(シナモン)共同創業者・CEO(最高経営責任者)
1984年浅草生まれ。お茶の水女子大学でコンピュータサイエンスを学び、東京大学大学院で修士を取得。在学中に情報処理推進機構の「未踏ソフトウェア創造事業」に採択され、そこで出会ったメンバーと2006年にネイキッドテクノロジーを共同創業。2011 年に同社をmixiに売却。2012年に Cinnamonを シンガポールに創業、2013年ベトナムに開発拠点を設立し、写真を軸としたプライベートコミュニケーションのためのスマートフォン・アプリを提供。現在は台湾でマーケティング中。
iTunesストア: koala - photo messenger

これからが楽しみな素敵な女性起業家の方に経営コンサルタント・多摩大学客員教授の本荘が話をうかがう本連載の第二十二回は、二度目の起業でコミュニケーションのためのスマートフォン用アプリをアジアに提供するCinnamon(シナモン)の平野未来CEOの登場です。

新しいコミュニケーションをアジアに提供

セルフィー(自分撮り)を主としたコミュニケーションのためのスマートフォン用アプリを提供しています。台湾を手始めに、アジアに展開して行きます。

写真でのプライベート・コミュニケーションが当たり前になりつつある近年、ピンタレストのように写真を使ったSNSが人気を集め、フェイスブックもテキストより写真重視になっています。

東南アジアでは、一日に何十枚もセルフィーを撮る人が多いのですが、特に使うこともないままになっていました。そこで、友達など自分以外の人に写真を送れるサービス「koala」を始めました。写真が持つ情報量は多いですが、それだけでは意味がわかりません。写真に一言メッセージをつけて送るkoalaは、新しいコミュニケーションスタイルを生み出しています。koalaをぜひ使って、いままでにないコミュニケーションを体験してみてください。

日本から海外に進出するベンチャー企業は増えたが、最初から外国を主戦場として飛び出す例は数少ない。平野さんは、実にチャレンジ精神旺盛だ。

米国発よりずっとアジアに受け入れられるものを

Cinnamonを創業した頃、アメリカでスナップチャット(スマートフォン向けの写真共有アプリ、閲覧後写真は見れなくなる)が流行っていましたが、アジアでは流行らないだろうと。アジアのユーザーにとって、写真が消えるのは意味がわからないし、可愛く見せたいのに見た目がきたなくてデザイン性に優れない、つまりユーザー体験が悪い。米国でよくても、アジアではだめだろうと思ったんです。

今年の二月に、日本のTBSイノベーション・パートナーズ、サイバーエージェント・ベンチャーズ、インキュベイトファンド、シンガポールのGolden Gate Venturesから一億五千万円を資金調達しました。

同じ頃にViberが楽天に約一千億円で、WhatsAppがフェイスブックに一兆円以上で買収されました。私自身もベンチャーキャピタルを意識した事業の立ち上げやストーリーづくりをしていますが、大きく跳ねるのはコミュニケーション系だという認識が投資家にもあったんだと思います。

これからもビジュアル(写真、動画)を中心としたプライベート・コミュニケーションに取り組み、アジアNo.1を目指して行きます。

テクノロジーでは米国発のベンチャー企業が勝る傾向が強いが、カルチャーとの適合が求められるサービスでは必ずしもそうではない。平野さんはそこにチャンスを見い出し、同時に投資家に説得力のあるストーリーを示すことができた。