ニュートン、ダーウィンをはじめ、世界が認める理系の功績を生み出してきたケンブリッジの研究環境

オックスブリッジの社会的意義Ⅰ
オックスブリッジ卒業生100人委員会

理系に強いケンブリッジ大学

ケンブリッジ大学の歴代の研究者では、我々が地球上で生活するために不可欠な「万有引力」を発見したアイザック・ニュートン氏の名前が一番にあがる。彼が落ちるリンゴを見て重力を思いついた、といわれているリンゴの木の末裔が、彼が所属していたトリニティカレッジの正門の脇の整備された芝生に大切に植えられている。末裔は寄贈などにより世界中に広がっているが、このトリニティカレッジ前に植えてあるものが最も丁重に扱われているのではないだろうか。このスポットでは、観光客がリンゴを持ってニュートン気分に浸り写真を撮影する光景をよく見かける。

ニュートンのリンゴの木の末裔。ニュートン氏の在籍したトリニティカレッジの門の前に植えられている。

生物・医学分野でも、多くの功績を残している。現在の生物学の根幹となっている進化の説『種の起源』を唱えたチャールズ・ダーウィン氏もケンブリッジ大学の卒業生である。最近の生物分野での特筆すべき成果はiPS細胞の開発で山中伸哉氏と共同でノーベル賞を受賞したクーロン技術の先駆者、ジョン・ガードン氏であろう。彼の功績が認められ生化学研究所の名前がガードン研究所と改められた。町から南側に位置するアデンブルック病院は、ケンブリッジ大学と密接に提携しており、世界的にも非常に高い水準を誇る病院として知られ、イギリスで最も優れた病院として位置づけられることも多い。病院は生物・医学部と隣接している。研究のみならず臨床による「実践」を行っている。

ジェームズ・ワトソン氏、フランシス・クリック氏らが、我々の遺伝情報が記録されているDNAが二重らせん構造であることを発見したことも忘れてはならない。なんと初めて二重らせん構造が発表されたのはケンブリッジの街中のパブ「The Eagle」である。発表が行われた席には記念碑が飾られている。このパブではその功績にあやかり、オリジナルの『The Eagle DNA』という名前のビールも販売している。味は自らお確かめいただけると幸いである。

DNAが二重らせん構造であることが発表されたパブThe Eagle。彼らが所属していた旧キャベンディッシュ研究所から徒歩数分のところにある。発表が行われた席にはDNAの絵と碑が飾られている。この席は通常の客席として利用されており、この席で食事をすることも出来る。

ワトソン氏・クリック氏の2名も在籍していたキャベンディッシュ研究所では、物体が電子で構成されている事実など現代の科学の基礎となる発見を次々と行い、研究所単位でこれまでに29人のノーベル賞受賞者を輩出している(研究所単位でのノーベル賞輩出数では世界最高記録更新中)。

新キャベンディッシュ研究所に設置されているミュージアム。様々な画期的な発見に利用された実験装置が説明と共に飾られている。