【沿線革命001】
東京の鉄道新路線・新駅は五輪までにこう進化する

阿部等(交通コンサルタント)
品川駅発のリニア中央新幹線開業は今のところ東京五輪に間に合わない予定だが・・・ photo Getty Images

私は(株)ライトレールという交通計画のコンサルティング会社を経営している。そんな仕事があるのかと思われるだろうが、東大の都市工学科で大学院まで交通計画を学び、JR東日本にて鉄道事業の実務を17年間経験した後に、鉄道をもっと社会に役立つものにしたいと志し、9年前に創業した。

このたび、2020年東京五輪を意識しつつ、首都圏の鉄道を中心とした将来像について連載をさせていただくことになった。

2020年東京五輪に向けた鉄道の進化

1964年東京五輪を機に、日本の戦後復興が進む中、次の時代の繁栄の礎となった交通インフラが整備された。

都市間の交通インフラとしては東海道新幹線や名神高速、都市内の交通インフラとしては首都高速道路・地下鉄・東京モノレール・国道246号線(青山通りと玉川通り)等である。

2020年東京五輪も、同様に交通インフラをさらに充実させるきっかけとなることが期待されている。道路では、首都高中央環状品川線・同晴海線・都道環状2号線・東京外かく環状道路等の整備が着々と進んでいる。

一方、鉄道で2020年に間に合うものは、以前から整備の進んでいたものである。全国的には北陸新幹線(長野ー金沢)、北海道新幹線(新青森ー新函館北斗)があり、首都圏では以下のようなものがある。

2015年3月に上野東京ラインが開業し、宇都宮・高崎・常磐線と東海道線が直通運転するようになる。

小田急線の複々線化は、梅ヶ丘ー登戸に続き、代々木上原-梅ヶ丘が2017年度の使用開始予定である。相鉄・JR直通線の西谷-羽沢は2018年度まで、相鉄・東急直通線の羽沢-日吉は2019年度の開業予定である。

その他、リニア中央新幹線・いくつかの羽田空港アクセス鉄道・有楽町線の豊洲-住吉の延伸等はいずれも2020年には間に合わない見込みだ。新駅では、JR山手線の品川-田町間と、虎ノ門ヒルズ直近の東京メトロ日比谷線の霞ヶ関-神谷町間が2020年に間に合いそうだ。

鉄道ではなくバスだが、BRT(Bus Rapid Transit:高速バス輸送システム)が都心と臨海部を結ぶ中規模交通システムとして2019年までに整備される見込みだ。東京五輪の主会場となる新国立競技場その他と中央区晴海の選手村を結ぶ足としても機能するはずだ。

以上に関する詳しい情報は、連載の中で順に紹介していく。

鉄道の進化への期待

東京(通勤・通学圏の周辺を含む、以下同様)での日々の生活を、また東京以外にお住まいの方は仕事や遊びで東京へ出掛けた時のことを思い浮かべて欲しい。稠密で高利便な鉄道があればこそ、あちこちに便利に移動できる。仕事場や学校に通え、客先へも行け、多くの人と会え、多くの経験をできる。

東京において鉄道がそれだけ大きな役割を担いながら、2020年の東京五輪に向けた取組みがあまりに少なくないだろうか。鉄道はもっと便利にでき、もっと社会に貢献できると私は確信している。多くの人は2020年東京五輪を機とした鉄道の進化をおおいに期待しているのではないだろうか。

本コラムは、そういった問題意識に基づき、現にある東京の新駅や新路線の計画や構想をご紹介した上で、さらにこんなことができるのではないかというワクワクするような提案をお示ししていきたい。

コラムの名称である「沿線革命」とは、鉄道やバスその他の「交通イノベーション」により、沿線に革命を起こそうということである。思わぬ将来性ある沿線や地域を生み出す提案をしていきたい。