消費の「変調」が鮮明に。安倍首相の増税先送りは妥当だが、確約した10%引き上げは、本当に不可欠なのか
スーパーマーケットでの消費も、夏以降悪化(写真は4月1日の消費税増税の日) photo Getty Images

夏以降の消費の「変調」が鮮明になってきた。日本百貨店協会が11月19日に発表した10月の全国百貨店売上高は、前年同月比2.2%のマイナスとなった。

安倍首相の増税先送りは妥当な判断

4月の消費増税による反動減は、8月に0.3%減にまで縮小し、消費が力強さを取り戻すかに見えたが、9月の0.7%減に続いて、マイナス幅が拡大した。しかも10月は1年前の2013年10月もマイナス0.6%、その前の2012年10月もマイナス2.4%で、決して比較対象が高水準だったわけではない。それだけに、消費の減速ぶりは深刻だと言えるだろう。

また、日本チェーンストア協会が20日に発表したスーパーマーケットの10月の売上高(既存店ベース)も、マイナス1.9%となった。4月以降マイナスだった対前年同月比伸び率が、8月にはマイナス0.1%にまで持ち直していたが、9月にはマイナス1。0%、10月はマイナス1.9%と、マイナス幅が拡大した。明らかに消費は夏以降、悪化しているのである。

安倍晋三首相は11月18日に、7-9月期の国内総生産(GDP)速報値の発表を受けて、消費増税の延期を表明した。物価変動の影響を除いた実質ベースで4-6月期に比べて0.4%のマイナスで、年率に直すと1.6%のマイナスという結果だった。おおかたのエコノミストは年率で2%前後のプラスと見込んでいただけに、衝撃が走った。

もっとも、この数字に対しても、「マイナス0.4%はそれほど大きな落ち込みではない」とか、「民間在庫のマイナスが効いているので実態は悪くない」といった声も聞こえる。

しかし、毎月の百貨店やスーパーの売上高推移を見る限り、明らかに消費に変調が起きているのは間違いない。1ヵ月前のこのコラムで「少なくとも足下の消費に力強さが戻ってくるまでは消費税再増税の判断は先送りすべきだろう」と書いたが、消費に力強さが戻るどころか、むしろ弱さが鮮明になったわけだ。安倍首相の増税策送りは妥当な判断だったと言うことができるだろう。

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