派閥争いが起きない”独裁体制”は創業者で終わり。その後に備えた「政治戦略」とは?
『社内政治の教科書』第4回
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独裁社長のもとでは「派閥争い」は起きません。しかし、水面下では必ず派閥的な人脈が息をひそめています。そして、いつか独裁体制が終わりを迎えたときに、激しい派閥抗争が起きる可能性があります。そのときに痛い目にあわないためには、どうすればいいのでしょうか?

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独裁社長のもとでは、「派閥」が抑圧される

オーナー社長(独裁社長)のもとでは、派閥争いに悩まされることはない---。

前回、私はこのように書きました。実際、独裁社長が君臨する会社では、社長の価値観に反する言動をとると制裁が加えられますし、徒党を組むような動きを見せればパージ(一掃)されますから、役員・社員の間での勢力争いが起こることはほとんどありません。そのため、争いの少ない、平穏な職場であるケースが多いように感じられます。

しかし、それはあくまで表面上の問題です。水面下では、必ず派閥的な人脈が息をひそめています。会社が「無派閥状態」にあるときも、この現実を常に意識しながら行動することが重要です。

なぜなら、いつか独裁体制は終わりを迎えるからです。課長であれば、定年まであと20~30年はあるはずです。社長の年齢にもよりますが、あなたの在職中に必ず独裁体制が崩れるときが来ることを計算に入れておいたほうがいいでしょう。

オーナー社長が病気になったり、亡くなることもあるでしょう。あるいは、引退するかもしれません。もちろん、引退するときには、新社長を指名し、権力基盤を継承できるように最善を尽くすでしょう。

しかし、独裁体制を維持できるのは、ほぼオーナー創業者だけです。2代目が社長になろうが、大番頭である専務が社長になろうが、オーナー創業者ほどの権威はもちえません。その「重石」が外れたときには、必ず水面下で息をひそめていた派閥が動き出します。派閥のパワーが拮抗していればいるほど、激しい政争に発展するでしょう。

しかも、オーナー企業の場合、派閥争いがオーナー一族間の争いの代理戦争の様相を呈するケースもあります。一族間の争いは愛憎がからんだ熾烈なものになりがちですから、それだけ社員にとって過酷な状況に陥る可能性が高いものです。

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