干場の究極ワードローブ! キーワードは"エコラグ"
第16回 サルトリア パルマ×ビームスFのポロコート

サルトリア パルマ×ビームスFのポロコート

数々の男性誌に携わりながら、編集者として、ファッションディレクターとして、さまざまなアイテムを見てきた編集長の干場義雅が、40代の男性のライフスタイルを豊かにする厳選したワードローブをご紹介。腕時計や靴・鞄、スーツのように長い年月使えるものは減価償却できるので高額でも良い、しかし白シャツや白い無地のTシャツのように常に白いまま着たい消耗品は、高額なものよりコストパフォーマンスを重視した方が経済的だと言います。「多くの粗悪なものより少しの良い物を」「移り変わる流行よりも普遍的で美しいものを」。干場が掲げる哲学を突き詰めていくと……、ブルース・リーが提唱した無駄を排した最短の動き(エコノミック・モーション)で相手を倒すジークンドーのように、経済的かつ無駄のない、シンプルで美しいスタイルが浮かび上がってきます。足ることを知れば、自ずと本質的なワードローブが揃うのです。第15回はコチラ

素材、色、デザインが優れ、15年着続けている
着回し力のあるビームスFのキャメル色のコート

年の瀬も近づき、寒さも本格化してくるこの季節。ビジネスシーンにおいても寒々しい格好で過ごすのではなく、暖かくてリッチなコートを着用して仕事に望むのも、ミドルエイジの男性にとって重要な課題です。

そこで今回ご紹介するのが、ビームスFで購入して以来、15年ぐらい着続けているキャメル色のポロコートです。ビームスFでは、毎年オリジナルのコートを作っているのですが、こちらはイタリアのサルトリアパルマに別注して作らせたオリジナルのもので、以前、連載していた『MEN’S EX』でも紹介したことがあるくらい思い入れのあるコートです。

コートの中でもポロコートは、その名の通りスポーティな出自で、ポロ競技を終えた選手たちが羽織っているものでした。前に付くポケットはパッチ&フラップ、背中にはバックベルト、袖にはボタンではなくターンナップカフが施され、クラシックなチェスターフィールドコートより、スポーティな印象があるのが特徴。スポーティなディテールだから、スーツやジャケット&パンツスタイルなどのビジネススタイルはもちろん、ブルージーンズやコットンパンツなどのカジュアルスタイルまで、合わない着こなしやスタイルが見つからないぐらい汎用性が高く、まさに全方位網型のコートと言えるのです。

さらに、このキャメルという色は、とにかくいろいろな色に似合って便利。ネイビーやグレー、黒、ブラウンのスーツはもちろん、白シャツやサックスブルーのシャツにも似合い、以前紹介したグレーパンツ同様、こんなに万能で優秀なコートには出会ったことがないぐらい使える色なのです。

これだけ重宝するコートなのに、ビームスFが別注しているこのポロコートは思いの外お手頃でして、当時は12万円ぐらい。今現在も15万円程度で購入できますから、単純計算すると15年経った現時点では、1年1万円以下で減価償却できています。もちろんスーパーラグジュアリーなコートも将来的には手に入れていきたいのですが、1着目として購入するなら、この辺りがお勧め。

コートを選ぶ際、素材は軽くて柔らかいカシミア素材がベストではありますが、キャメルや上質なウールなど柔らかい素材を選べば、女性が腕をまわした際にも喜んでいただけますし、ホテルやレストランなどでコートを預かっていただく際にも一目置いてもらえるので、必ず良い素材を選ぶべきです。素材と色合いが美しいポロコートを選べば、きっと冬の装いが豊かになり、美しいスタイルを生み出すことができます。コートの中でもキャメルのポロコートは、エコラグに欠かせないアイテムですから、ぜひ1枚ワードローブに加えてみてはいかがでしょう?

Photo:Yasuhisa Takenouchi
Text:FORZA STYLE

エコラグ-Hoshipedia
「エコラグ」とは、エコノミック・ラグジュアリーの略。economic luxury。極めて経済的だが、上質さやエレガンスは失わないスタイルの意味。「多くの粗悪なものより少しの良い物を」という干場の哲学により生まれた造語。腕時計や靴・鞄、スーツのように長い年月使えるものは高額でも、白シャツや白無地のTシャツのように常に白いまま清潔に着たい消耗品は、高額なものよりもコストパフォーマンスを重視するというスタイル。パテック・フィリップの腕時計やジョン・ロブの靴と、カミチャニスタやデッコーロの白シャツ、GAPの白無地のTシャツは干場にとっては同じ。一点豪華主義とも違う。干場が敬愛するブルース・リー先生が提唱した無駄を排した最短の動き(エコノミック モーション)で相手を倒すジークンドーのように、経済的で盛り過ぎない、かつ無駄のないシンプルで上質なスタイルを指す。

干場義雅
FORZA STYLE編集長

数々の男性誌に携わりながら、編集者として、ファッションディレクターとして活動。2010年に独立後は、新聞、テレビ、雑誌、ラジオなどメディアの枠を超えて多方面で活躍中。