賢者の知恵
2014年11月30日(日) 週刊現代

現地で徹底調査 何でも日本一福井県に学ぶ「幸福な暮らし」の秘密

小・中学生の学力&体力1位、社長輩出率1位、女性の社会進出1位の実力を見よ!

週刊現代
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福井と聞いて思い浮かぶのは、越前がに、越前そば、東尋坊、若狭湾……といったところ。地味だけど、じつは暮らしやすくて、一番幸せな県。「日本のブータン」とも言われているのをご存じだろうか。

夢は「スイスのように」

福井市内から車で約1時間。その日、東尋坊にある「やまに水産」は、平日にもかかわらず観光客で賑わっていた。

「うちの越前がには、皇室にも献上しているんです。越前海岸沖は、漁場が近く、全国でも珍しく獲ったその日のうちに生きたまま港に届けられるので、鮮度が抜群。本当にうまいよ。福井は海の幸も山の幸にも恵まれてるし、いいところでしょう」

この店で27年働く取締役の山野仁司さん(45歳)は、東京から来た記者にこう笑顔を見せる。福井の名物といえば、11月6日に漁が解禁になったばかりの越前がに。県の魚にも指定されており、全国で唯一皇室に献上されている逸品だ。年配の従業員も多いが、働く人々は皆、せわしなく客の対応をしながらも、いきいきと仕事をしている。

ここ福井は、日本一「幸福な暮らし」ができる県なのだという。福井県知事の西川一誠氏はこう胸を張る。

「福井県は、法政大学や日本総合研究所が行った都道府県の幸福度ランキングで『日本で一番幸せな県』と評価されたんですよ。福井には、四季折々の自然や豊かな食があります。それに、信仰心が厚く、先祖を敬い家族を大切にする気質や、近隣の人との絆が深い土地柄なども、背景にあるのではないでしょうか」

この幸福度ランキングは、失業率や正社員比率などの労働面、待機児童数や持ち家比率などの生活面、平均寿命などの健康面や、教育、安全などの指標から総合的に評価されたもの。このほかにも、じつは福井には数々の「日本一」が存在する。実際に、福井の人々はどんな「幸福な暮らし」を送っているのか。現地でその実情を探った。

まず最初は、仕事面。福井県は、人口10万人あたりの社長輩出数が1457人と32年連続全国トップ(帝国データバンク調べ)。成功者が多い土地柄なのだ。

調べると、伊藤忠商事元社長(現会長)の小林栄三氏、本田技研工業元社長の吉野浩行氏、コマツ元社長(現会長)の野路國夫氏なども福井出身。人口約80万人の県でありながら、世界に進出する大企業の社長も多い。福井市に本社を構える繊維業大手・セーレンの結川孝一社長は、理由をこう分析する。

「福井県民は、何でも粘り強く、地道に愚直にこなす性質があるんです。それから、自ら仕事を作り出そうとする創意工夫の精神。私自身もそのつもりなのですが(笑)、出世志向が強いというわけではなく、一生懸命仕事をすることが身についているように感じます」

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