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深層スクープ12・14解散総選挙「全情報」安倍総理の狙いは小泉「郵政選挙」の再来だ
急転直下!いざ年内総選挙へ
〔PHOTO〕gettyimages

最初は、誰も本気じゃなかった。だが、一度吹き出した「解散風」を見て、安倍総理は決断した。「ならば、この風を利用すればいい」この勝負、吉と出るか、凶と出るか。

安倍総理は本当にハメられたか

ついに目前に迫った衆議院総選挙。

自民党内の「裏切り者」に総理はまんまとハメられ、クーデターを起こされるという最悪の形で、解散総選挙にまで追い込まれた—今回の経緯を、野党はそう言って槍玉に挙げている。

だが、安倍総理は本当に「裏切り者」の餌食となったのだろうか。

「この選挙戦が終わる時、最後に立っているのは俺だ」

むしろ、これまで密かに解散への布石を打ってきた総理は、そう心中でほくそ笑んでいることだろう。

永田町に流布する警句のひとつに、「外遊は政局のもと」というものがある。

海外で分刻みのスケジュールをこなす総理には、なかなか国内を顧みる余裕がない。行き先が遠ければ、時差も障壁となる。大事件が起きようと、政敵が好き勝手をしようと、マスコミがいくら騒ごうと、対処のしようがないのだ。

「ゴルフは好きだが、外遊のほうがもっと好き」とうそぶく安倍総理は、事実、御嶽山噴火や、小渕優子経産相と松島みどり法務相の辞任といった直近の一大事も、海外あるいは機内で耳にした。

そして、北京で習近平中国国家主席と握手する総理を横目に過熱した、この「解散政局」だ。総理の留守中、「鬼の居ぬ間に」とばかり猛烈なキャンペーンが仕掛けられ、「世論」が一気に作られる。帰国した総理は、それを追認せざるを得ない。「外遊と政局」の関係を示す、教科書通りの展開である。

今回、総理の留守中に解散総選挙の既成事実を作り上げるという、一種の「クーデター」が実行に移されたという事実は、確かに安倍総理の求心力低下を如実に示している。自民党中堅議員がこう話す。

「党内は、第二次安倍政権始まって以来最悪の混乱状態ですよ。今月に入ってからというもの、総務会をはじめ各部会では『アベノミクスは失敗だ』という声が公然と噴出していた。

しかも、中堅や若手の議員が夜に会合を開けば、『安倍さんはこの先、もう長くないな。体調の面から言っても、今年いっぱいじゃないか』『次は誰に付いたらいい?谷垣さんか、麻生さんか』なんて話で持ちきりでしたから」

十字架にかけられて処刑される前の晩、イエス・キリストは一緒に食卓を囲む弟子たちに向かって、

「あなたがたのうちのひとりが、わたしを裏切ろうとしている」

と言った。「裏切り者」とは、直後にイエスの居場所を敵方に密告することになる弟子、ユダのことだった。かの有名な「最後の晩餐」のワンシーンだ。

イエスを裏切ったのは、ユダ一人だけだった。しかし、日本政界のトップに君臨する安倍総理にとっては、身内の自民党議員も含めたあらゆる政治家に、寝首を掻かれる可能性がある。たとえ酒を酌み交わした相手であろうと、いつ一転して敵になるか分からない。

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