メディア・マスコミ
朝日に「記者クラブ脱退宣言」の覚悟はあるか? クォリティペーパーに必要な条件は報道版「選択と集中」だ
社長辞任を伝える11月15日付朝日朝刊

慰安婦報道や吉田調書報道をめぐる誤報問題で大きく揺れる朝日新聞。11月14日には社長交代など経営を一新すると発表した。これをきっかけにさらに改革を進め、クオリティーペーパー(高級紙)と見なされるメディアへ脱皮できるかどうか---。

日本の主要紙に共通する問題点

すでにクオリティーペーパーとしての評価を確立している新聞の代表格は米ニューヨーク・タイムズだ。今から1ヵ月余り前、コスト削減のため新たなリストラを発表している。早期退職などで編集局の人員を100人前後削減して1200人強にするというのだ。

アメリカ新聞業界ではリストラは珍しくない。ニューヨーク・タイムズも今回初めてリストラしたわけではない。2008年と2009年にも編集部門で同規模の人員削減に踏み切っている。それでも「紙面の質が落ちた」といった見方はあまり出ていない。

長年の愛読者として、個人的にもニューヨーク・タイムズの紙面の質に今も満足している。深い分析記事や発掘型の調査報道、独自の国際報道などで読み応えのある記事がいくつもあるからだ。特に日曜版付録の雑誌ニューヨーク・タイムズ・マガジンは粒よりのフィーチャー記事や報道写真が満載で、「これだけのために購読していてもいい」と思えるほどだ。

それと比べると、日本の主要紙には物足りなさを感じる。紙面は横並びで同じ発表モノ(発表を先取りした"スクープ"も含む)を中心に構成されており、内容は似たり寄ったり。欧米の大衆紙のように、事件報道など警察ネタが紙面上で大きな扱いになりがちである点でも共通する。

もっとも、大規模なリストラとは無縁だ。朝日も例外ではない。一連の誤報問題をきっかけに販売部数が減るなどで今後リストラを強いられる可能性も否定できないが、現状では編集部門で2400人程度の人員を抱えている。ニューヨーク・タイムズのざっと2倍だ。

編集部門の規模でニューヨーク・タイムズを圧倒しているのに、朝日はなぜクオリティーペーパーになれないのか。その背景には「選択と集中」を徹底できないという構造問題がある。これは日本の主要紙すべてに当てはまる業界共通の問題でもある。

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