「ロシアが国際法を犯していないことは確信している」---プーチン大統領がARDのインタビューで語った"真っ当な言い分"

2014年11月21日(金) 川口 マーン 惠美
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ロシアの軍事的行動、ウクライナ問題、クリミア併合について

まず、ザイペル氏が最近のロシアの軍事的行動に触れる。NATOも黒海で大演習をおこなったりしたが、ロシアの軍事的威嚇も目に余るという指摘。

それに対してプーチン大統領は答える。NATOは二度拡大している。2004年に7ヵ国が加盟し、2009年さらに2ヵ国が加わった。さらに、基地の数がどんどん増えた。

「世界中で増えていったのはNATOの基地だ。そのいくつかは、我々の国境のすぐ近くにある」「あなたは、演習や、航空機、船舶の動きなどに言及された。我々の演習は、すべて中立の海と空でおこなわれている」

プーチンは、ザイペル氏の長い質問を、一切メモも取らずに、つまらなそうな顔で聞いているが、自分の番になるとすべての質問に完璧に答えていく。質問の間違いまで指摘する。質問はドイツ語でなされ、プーチンはイヤホンで同時通訳を聞いているが、若いころ秘密警察のボスとして東独のドレスデンに駐在していた彼は、ドイツ語は誰よりも堪能だ。

プーチン大統領は続ける。

「1991年から92年、私たちは、空軍の戦力を停止しようと取り決めた。我々の空軍機を格納庫に納めたままだった。しかしその時期、長いあいだ、我々のパートナーである米国は偵察を続けた。数年前、その状況が変わらないということを認めたのち、我々も偵察飛行を再開した」

そのあと、話は現在のウクライナ問題に移る。EUとウクライナが結ぼうとした協定が、ロシアの介入で潰れたこと。これが、最終的にキエフのデモと、前政権の崩壊、そして、現在のウクライナ紛争につながっていく。

しかし、これに関してもプーチン大統領の答えは明確だ。EUとウクライナが結ぼうとしていた協定の要は自由貿易だ。しかし、EUの品物がウクライナに関税なしで入ってきたら、ウクライナと自由貿易の協定を結んでいるロシアに、それがそのまま流れ込むことになる。ロシアが認めることができないのは当然だ。

「いつか関税を廃止していこうというのはわかる。しかし、急にはできない。ウクライナとロシアの間に深刻な問題が起こる。我々は説明を試みた。するとその答えは『この問題には口をはさむな』ということだった」

それが元でデモが激しくなり、2014年2月、動乱中のキエフにドイツ、フランス、ポーランドの外相がやってきた。ヤヌコヴィッチ大統領と反体制派の間で、事態を鎮静するために交わされた合意書を保証するためだ。

「ウクライナ政府は、もちろんそれが守られると信じていた。私はその晩、合衆国の大統領と電話でその話をした。しかし翌日、クーデターが起こった」

これによって、ヤヌコヴィッチ大統領は逃亡に追い込まれたのだった。

「ヨーロッパの外相たちは、合意文書の保証人などになるべきではなかった。あるいは、保証をしたのだったら、それを守るべきだった。ところが、その後、彼らはそそくさと引き揚げ、そんな合意書のことは思い出したくもないらしい。私は、この一件を完全な誤りであり、非生産的なことであると思っている」

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