川口マーン惠美「シュトゥットガルト通信」

「ロシアが国際法を犯していないことは確信している」---プーチン大統領がARDのインタビューで語った"真っ当な言い分"

2014年11月21日(金) 川口マーン惠美
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インタビューを受けるプーチン大統領。「Tagesschau」の動画アーカイブより

穏やかな口調で存分に話すプーチン大統領

これほど面白いインタビューは久しぶりだった。ウクライナの動乱が始まって以来、ずっと悪者になっているロシアのプーチン大統領。報道の表通りだけを見ていると、欧米の主張ばかりが大手を振っていて、プーチン大統領は世界の平和と秩序を乱す大悪党だ。

ただ、ネットで裏通りを探していくと、ロシアの言い分についての解説も結構たくさんあって、それを読むうちに、プーチン大統領やラブロフ外相の言っていることのほうが正論ではないかと思うことも少なくない。

誰のどの言葉をどれだけ信じればよいのか見当がつかないとき、インタビュー映像は最高の贈り物だ。しっかりしたインタビュアーがいて、しかも、答えの部分が後で切ったり貼ったりされていないと納得できるなら、それはとりわけ役に立つ。

11月16日夜、ARD(ドイツ公共放送連盟)が放送したのが、まさにそんな珠玉のインタビューだった。インタビュアーはARD傘下のNDR(北ドイツ放送)のベテラン記者、ザイペル氏。インタビューはきっかり30分。オーストラリアでのG20の直前に、ウラジオストクのスタジオで撮られたという。外は、零下35度だったそうだ。

インタビューというのは、主張だけでなく、表情、態度、論理の構築の仕方など、その人物のさまざまな面をゆっくりと観察することができて楽しい。もちろん一番ありがたいのは、その人物の口から直接出た言葉を聞けることだ。

インタビューが誰かの意思に沿って編集されているときはそのかぎりではないが、今回、プーチン大統領は穏やかな口調で、邪魔されることなく存分に話していた。後の編集で捻じ曲げられている印象も、私は受けなかった。翌日、ARDのウェブサイトには、オリジナルと、ドイツ語吹き替え版と、英語吹き替え版がアップされた。

(インタビュー動画: http://www.tagesschau.de/multimedia/video/video-40685.html

そのインタビューの内容から、いくつか紹介したい。

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