スポーツは世の中を救えるか?
2014年11月22日(土) 岡田 真理

レッドソックスが、爆弾テロ直後のボストンにもたらしたもの

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2014年、「野球で、人を救おう。」をスローガンに、プロ野球選手・ファン参加型の社会貢献活動を展開する「NPO法人ベー スボール・レジェンド・ファウンデーション(BLF)」が発足。社会事業がまだ発展途上にある日本において、はたしてスポーツの力は世の中を変えることができるのか? スポーツ界のさまざまな社会貢献活動の事例を紹介しながら、同団体の挑戦と奮闘を代表である著者が綴ります。

2013年春、私はニューヨークに渡りました。

ニューヨークは、郊外に行けば「野球の殿堂」があるクーパーズタウン、ハドソン川を渡れば野球発祥の地といわれるホーボーケンがあり、かつてはドジャーズやジャイアンツの本拠地もあったという、野球ゆかりの地です。

チームロゴの「B」をあしらった「B STRONG」のチャリティーロゴ。”Be Strong”(強くあれ)という意味をかけている(写真 BOSTON RED SOX提

以前からフリーのスポーツライターとして日本のプロ野球を取材してきましたが、そのような土地に身を置いて野球というスポーツをより深く理解したいという思いから、ワンシーズンだけ休業し、“野球ファン”としてニューヨークに滞在することにしたのです。

ところが、胸をときめかせながら渡米したのと同じ時期に、ある重大な事件が発生してしまいました。みなさんも記憶にあるかと思いますが、2013年4月15日、ニューヨークの北東にあるマサチューセッツ州ボストンで、市民マラソン大会中に爆弾テロが起こったのです。

緊急事態に際し、レッドソックスが行ったこととは

この爆弾テロにより、3名の若く尊い命が奪われました。事件による負傷者の数は282名にものぼり、中には手足の切断を余儀なくされた重症者もいたといいます。

15日の事件発生から容疑者逮捕の19日まで、ボストン市内には外出禁止令が敷かれました。この期間、ボストンを本拠地とするボストン・ブルーインズ(NHL)とボストン・セルティックス(NBA)の試合は当然ながら中止となりました。

ボストン・レッドソックス(MLB)が遠征先のクリーブランドから戻ってきたのは19日。本拠地フェンウェイパークではその日の試合は延期となりましたが、容疑者逮捕を受けて20日には再開されました。

写真 BOSTON RED SOX 提供

この日、スタジアムでは「B STRONG」のロゴが入ったキャップとTシャツが販売され、これらの収益はテロ被害者支援基金「ワン・ファンド・ボストン」を通じてテロ事件の負傷者や遺族に寄付されることに。

また、この日の試合では選手が追悼ユニフォームを着用し、それらはすべてチャリティーオークションにかけられることになりました。試合前に行われた追悼セレモニーでは、テロ事件の際に救助活動に尽力にした人々を、球団とファンがみんなで称えました。

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