この著者に聞け
2014年11月24日(月) 高城幸司

組織を動かしイノベーションを起こすために、「社内政治」という"理不尽なゲーム"を勝ち抜け!

『社内政治の教科書』第1回

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Photo by Think stock

「社内政治なんてバカバカしい」。そう思われているかもしれません。たしかに、顧客不在の権力闘争や、不毛な部署間対立などは嘆かわしいことです。しかし、社内には利害対立があるのが現実。課長となれば、その利害調整をしながら、「自分が正しいと思うこと」を実現する「政治力」を身につけなければならないのです。

課長になると必ずぶつかる「社内政治」のカベ

社内政治---。

この言葉を聞いて、あなたは何をイメージしますか? TVドラマで繰り広げられる、激しい権力争いでしょうか。あるいは、上層部に媚びへつらう上司や、ライバルの足を陰で引っ張る同僚の顔を思い浮かべるでしょうか。いずれにせよ、ほとんどの人は、「社内政治」という言葉によい印象はもっていないと思います。

私も、リクルートに入社したばかりの若いころはそうでした。社内の根回しに走り回る上司や、やけに社内事情に詳しい同僚を少し冷ややかな目で見ていました。「内向きになってどうする? 仕事はお客様のほうを向いてするものだ」「裏工作をするのは潔くない」などと思ったものです。

当時は、それで結果が出ました。営業マンだった私は、社内の政治的な動きは気にもかけず、ひたすらお客様の要望に応えることに全力を注いでいればよかったのです。ところが、入社6年目に課長に昇進。自分に課された仕事だけやればいい立場ではなくなった途端に、大きなカベにぶつかったのです。

私の部署で新規プロジェクトの検討を進めていたときのことです。緻密なロジックを積み上げた、説得力のある事業提案でした。社内の関係者数人から「この方向でいいんじゃない?」と賛成されていたので、何の心配もせずに決定会議に臨みました。

ところが、「この形で進めていいですよね?」と念を押すと、これまであまり接触のなかった人物が「ほかにこういうやり方があるんじゃないか?」と発言。その発言に呼応して「そうだね、今そのプロジェクトに決定するのは拙速かもしれない」という声が上がると、賛成していたはずの人たちまでもが「確かに……」と同調し始めたのです。

結局、事業部長が「次回、複数の提案を持ち寄って再度検討する」と発言。私の抗弁もむなしく、あっという間に保留となってしまったのです。

結果は最悪。他部門のプロジェクトが採用され、私の提案は却下。裏切られたような思いのなか、自分のプレゼンスの弱さを思い知らされました。それに、これまで一緒に汗をかいてくれた部下の信用も失う……。打ちひしがれるばかりでした。

このような経験を何回もしました。そして、否応なく社内政治と向き合うようになっていったのです。「これはいける!」「絶対に成功する!」と確信した提案を実現させるには、政治力が不可欠だと思い知らされたからです。

「課長」から始める社内政治の教科書高城幸司著
(ダイヤモンド社、1620円)
部署間対立、予算・人員の分捕り合戦、横暴な上司に反抗的な部 下……。どんな会社にも「社内政治」はあります。そのややこしい現実のなか、関係者の利害を調整しながら、巧みに物事を進める力(=政治力)を身につけな ければ、「課長」の仕事は務まりません。「政治力」こそが、課長の仕事の中核なのです。しかし、これまで、誰も、この極めて重要な「スキル」について教え てくれる人はいませんでした。そこで、リクルートで社内政治の実践経験を積み、人事コンサルタントとして独立してからは、数多くのクライアントの「社内力 学」と管理職の「本音」に触れてきた著者に、「社内政治のノウハウと心構え」をまとめていただきました。社内でプレゼンスを高め、自分が正しいと思うこと を実現する「政治力」が身につく画期的な一冊です。

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