世界経済 アメリカ
【第67回】 米国で始まったマネタリーベースの減少が意味すること
セントルイス連邦準備銀行のサイトでマネタリーベースの減少が確認できる

直近4週間で減少を続ける米国のマネタリーベース

11月17日のマーケットでは、日本が話題の中心になったことは想像に難くない。誰もが予想しなかった7-9月期のマイナス成長(GDP第一次速報値)のニュースに続き、衆議院解散・総選挙のニュースがマーケットを駆け巡った。

このような派手な日本のニュースに隠れて発表されたのが、アメリカのマネタリーベースが減少に転じているとのニュースだった。筆者は、セントルイス連邦準備銀行のツイッターでこれを確認したが、リツイートもなく、世界中の誰もが目を向けなかったマイナーニュースとして消え去ってしまったようだ(当然、情報ベンダーのニュースのヘッドラインにも登場しなかった)。

世界の投資家が米国のたった1つの経済指標に目を向けていないのは仕方がないことだ。ましてや、米国の株価は、一時のような勢いはみられないものの、連日、史上最高値を更新する堅調な展開だし、米国の経済指標についても景気の先行き懸念をにおわせるような悪い数字は発表されておらず、米国株の投資家はほぼ全員強気なのではないだろうか。

だが、筆者は、米国のマネタリーベース(資金供給量)の減少は、将来の米国株価の調整入り、ないしは、将来の米国景気の減速の懸念を高める憂慮すべき指標であると考えている。そのため、このマネタリーベースの減少は気になる数字である。

現在、米国のマネタリーベースは、2週間に1回のペースで公表されている。直近の数字は、11月5日に発表されたのだが、その残高は、3兆8,711億ドルである。マネタリーベース残高のピークは、10月8日の4兆650億ドルで、10月22日には3兆9,560億ドルへ、11月5日に3兆8,711億ドルに減少した。つまり、米国のマネタリーベースは4週間で約4.8%減少したことになる。これは、あくまでも直近4週間の現象だが、年率に換算すると57%超の減少となるので、かなり大きな減少である。

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