デジタル・エディターズ・ノート
2014年11月20日(木) 佐藤 慶一

新ポータル構想「Syn.」の新しさは「インターネット利用の難しさをなくすこと」---KDDI・森岡康一氏が語る「スマホ時代の課題」

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KDDI株式会社 新規ビジネス推進本部担当部長・森岡康一氏

2014年にポータルは必要ない

11月19日、「TechCrunch Tokyo 2014」2日目の「どうなる日本のモバイルネット? 新ポータル構想『Syn.(シンドット)』仕掛け人に聞く」と題したセッションにKDDI株式会社 新規ビジネス推進本部担当部長の森岡康一氏が登壇した。森岡氏は、ヤフーのコンテンツプロデューサー、Facebook Japan副代表を経て、現在はKDDIにてシンドット構想を牽引。TechCrunch Japan編集長の西村賢氏が同構想の目指すところを聞いた。

シンドットは、KDDIが10月16日に発表した、すべてのサービスが入り口となる「中心のないポータル」構想。実現に向けて、賛同企業による新たな連合体「Syn.alliance (シンドットアライアンス)」が設立された。KDDIが子会社化や資本提携を含む総額120億円の出資を実施し、総計4100万ユーザーを抱える11社13サービスと提携したことは話題となった。

西村氏はまず、「2014年にポータルは必要なのか」と問いかけた。森岡氏は「いろんな人が、いろんな誤解をして、脳を活性化させているところ」と前置きをしてから「ポータルは必要ない。しかし、いま、そもそもポータルはあるのか」と答えた。現在、スマートフォン向けサービスは250万個以上あるが、スマホ利用者1人あたりの平均ダウンロード数は38個、日常利用となると平均8個にとどまる。「もともとインストールされているメールやカメラ、カレンダーなどをのぞくと4つくらいのアプリしか使っていないのでは」と、スマホ時代の課題を述べた。

「この状況ではスマホのパフォーマンスを全然生かしきれていない。PC時代にはポータルサイトがあり、困りごとがあれば誘導し、問題解決の入り口になっていた。一方、スマホ時代には、App StoreやGoogle Playを訪れ、アプリを検索し、自分にふさわしいアプリをインストールして使う、という一連の動作をできない人が圧倒的に多い」(森岡氏)

シンドットでは共通サイドメニュー「Syn.menu」を設置し、新着情報を知らせる「Syn.notification」と広告「Syn.ad」を展開。高い回遊性と収益性の実現に向かう。西村氏はシンドット構想に多ジャンルのサービスが名を連ねていることから、「(女性や若者向けもあり)参加企業のサービスの粒度が整っていないが、はたしてこれはユーザー目線なのか」と聞いた。

森岡氏は「最初はすべてのものを並べることが必要」だと語る。広くインターネットユーザーに向けた構想であるため、テクノロジーやインターネットに詳しいテックエリートを対象にしていない。スマホを使いこなせていない人、インターネットをこれからはじめるような人に対して、わかりやすくタップだけでサービスにたどり着くよう誘導・回遊させることで、「スマホは楽しい」ということを伝えたいという。

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