『佐藤優の10分で読む未来』2巻同時刊行スペシャル
「沖縄県知事選の結果が意味するもの」

佐藤優の10分で読む未来 キーワードで即理解 新帝国主義編 佐藤優の10分で読む未来 キーワードで即理解 戦争の予兆編
わかりやすい対談形式の「深読みジャパン」で基本内容を押え、それを専門的な内容に及ぶ「分析メモ」で復習し理解を深めるという、ハイブリッド型の文章で再構成された本書。『新帝国主義編』では、チャイナ・シフト、新帝国主義、沖縄独立、ブロック経済などを、『戦争予兆編』では、アラブの冬、反知性主義、イスラーム国などをキーワードに“世界のこれから”について読み解いていきます。

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沖縄県知事選から一夜明けた11月17日――。沖縄に深い思いを抱く作家の佐藤優氏が、今後予測される展開や国政に与える影響までを、佐藤氏のメールマガジンでおなじみ、文化放送の人気ラジオ番組「くにまるジャパン」で語った。その内容をお届けする。

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野村邦丸(以下邦丸): 11月17日、月曜日です。文化放送をお聞きいただいております。「くにまるジャパン」です。おはようございます。野村邦丸です。

加納有紗(以下加納): おはようございます。加納有紗です。

邦丸: 今日は東京のこの文化放送のスタジオ、そして沖縄県那覇市のROKのスタジオという二元でね、お届けしたいと思うんですけれども。今日はコメンテーターとしまして、毎月第一・第三・第五金曜日のコメンテーター、作家の佐藤優さん、そして文化放送の清水克彦記者が沖縄のROKのスタジオに今いらっしゃいます。当然、まずはこのニュースを取り上げます。

加納: アメリカ軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設の是非が最大の争点になった沖縄県知事選挙は、移設に反対する無所属新人で前那覇市長の翁長雄志(おなが・たけし)さん(64歳)が初当選しました。

昨日投票が行われた沖縄県知事選挙の投票率は64.13%で、前回を3.25ポイント上回りました。自民党と次世代の党が推薦した現職の仲井眞弘多(なかいま・ひろかず)さん(75歳)ら3人は敗れ、安倍政権にとって、7月の滋賀県知事選挙に続く敗北となりました。

政府は日米合意に基づき、普天間飛行場の辺野古移設を進める方針ですが、反対派知事の誕生で移設関連の手続きが遅れる可能性が出てきました。仲井眞さんは去年12月、知事として辺野古沿岸部の埋め立てを承認しましたが、翁長さんは昨夜、「法律的な瑕疵(かし)があるかどうか判断を下したい。民意を踏まえ、県側が撤回を申し入れることも十分に起こりうる」と述べました。

邦丸: 佐藤さん、この結果はいかがですか? 昨日、佐藤さんと一緒にいたとき、投票が終わった午後8時ちょうど、すぐにもう翁長新知事の当確が打たれたんですけれども。

佐藤優(以下佐藤): いわゆる「ゼロ当確」というやつですよね。

邦丸: ですね。一時期は、「ひょっとすると翁長さんがダブルスコアの圧勝じゃないか」と言われたんですけども、結果、およそ10万票差。翁長さんがおよそ36万票、仲井眞さんがおよそ26万票という、この数字を佐藤さんはどのようにご覧になりますか?

佐藤: 沖縄の選挙で10万票の差というのは、かなり大きい差だと思います。ですから、これはかなりの大差がついたと思います。

それから、ダブルスコアにならなかったというひとつの理由は、下地幹郎(しもじ・みきお)さんという人が出馬しましたね。この下地さんの果たした役割というのは、翁長さんの票をもっていくということですから。それから喜納昌吉(きな・しょうきち)さんという人も出まして、この人の目的も翁長さんの票をもっていくということですから、そういう力も働いていたということだと思います。

邦丸: はい。ただ、期日前投票なんかも、前回に比べて相当かなり早いうちに投票が始まっていたということですね。土曜日ですかね、取材で訪ねたスーパーに、期日前投票所がちゃんと設けられていて、そこに長蛇の列ができていたのを思い出しましたけれども。事前に、投票前に佐藤さんに取材などをしていただいたんですけれども、全体を振り返って、佐藤さん、どんな印象をお持ちですか?

佐藤: 全体を振り返って、当初予測していたよりもですね、非常に沖縄全体がまとまっていて、翁長さんでいこうという雰囲気だったという感じがしますね。

それからあと、仲井眞知事陣営のほうで、これはおそらく本土から来ていると思うんですけれども、街宣車であるとか、あるいは排外主義的なスピーチをする人たちが来ていた。これが大きな顰蹙(ひんしゅく)を買っていたというのも、報道にはあまり出ていませんけれども、今回の特徴でしたね。それによって仲井眞さん、だいぶ票を減らしたんじゃないでしょうか。

邦丸: 逆にイメージダウンになっちゃったということでしょうかね。

佐藤: そう思います。

邦丸: さて、ここでちょっとお聞きいただきたいのは、土曜日の夕方というか、夜ですね。選挙運動、選挙活動は午後8時までということになっているんですけれども、その8時前、6時半から沖縄県庁前で開かれました、翁長雄志さんの最後の演説。そのなかでのこんな音をちょっと聞いてください。