磯山友幸「経済ニュースの裏側」

金融庁がIFRSをようやく受け入れ、「内弁慶」からの脱却姿勢を鮮明に

2014年11月19日(水) 磯山 友幸
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金融庁が国際会計基準IFRSの受け入れに大きく舵を切った。

IFRS財団に元金融庁長官が就任

基準作成に当たる国際会計基準審議会(IASB)の運営母体であるIFRS財団の評議員(トラスティー)に金融庁長官を務めた佐藤隆文・東京証券取引所自主規制法人理事長が11月1日付けで就任、IFRS普及に向けた啓蒙や資金集めを担うことになった。

評議員会にはIASB発足当初から日本代表2人が加わってきたが、金融庁関係者が就任したのは初めて。佐藤氏の就任に当たっては、金融庁の幹部が説得を行っており、金融庁がIFRS推進の姿勢を鮮明にしたと言えそうだ。

佐藤氏は、評議員の副議長を務めていた藤沼亜起氏の後任として就任した。藤沼氏は2004年から評議員として任期限度いっぱいの2期6年を務めたが、退任を前に2010年5月に新設された副議長に就任した。その3年の任期も超えていたが、後任が見つかるまでの措置として留任していた。

藤沼氏は国際会計士連盟の会長や日本公認会計士協会の会長も務めた会計士の大物で、日本におけるIFRSの強力な推進役だった。このためIFRS財団が余人をもって代えがたいとして引き留め続けてきた。一方、IFRSの基準策定に影響力を維持したい日本としても、評議員会の2つのポストを死守したい狙いがあり、藤沼氏に劣らぬ大物を財団に送り込むことを狙っていた。

金融庁はIFRS財団に置かれた規制当局者の集まりである「モニタリング・ボード」の議長を務めている。その資格要件として、「メンバーは高品質の国際的な会計基準策定の支援をコミットしなければならない」ことが申し合わされており、自国の資本市場でのIFRSの使用とIFRS財団への資金拠出が求められている。つまり、IFRSを使用していない国や資金負担をしない国の規制当局には、基準作りに口出しさせないというわけだ。

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