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「関西電力」が「40年超老朽原発」運転延長へ
経産省はなぜこの暴挙を止めないのか

川内原発再稼働のカゲで、関電の40年超え老朽原発の運転延長という「暴挙」も photo Getty Images

東日本大震災以降2度目となる衆議院の解散・総選挙の年内実施が既定路線になる中で、すっかり注目されなくなった争点がある。東京電力の福島第一原子力発電所で未曾有の事故が起きた原子力発電の問題だ。

「脱原発依存」を遅らせる行為

エネルギーの安定供給の観点から見れば、すべての原発をいきなり廃炉にするのは乱暴だ。その意味では、ようやく九州電力の川内原発に再稼働のメドがついたことは評価できる。

しかし、その一方で、関西電力は今、間もなく運転開始から40年(設計上の耐用年数)を迎える高浜原発1、2号機の運転再開に強い意欲をみせている。この動きは、震災後のいくつかの選挙で一定のコンセンサスを得たはずだった“脱原発依存”を実現するまでに必要な時間を20年引き延ばす行為に他ならない。

選挙上手の自民・公明両連立与党は、今回も原発を含むエネルギー問題を争点にしない注意深さをみせているが、われわれ国民はそうした連立与党の戦略を黙認してよいのだろうか。

新聞各紙が年内の衆議院の解散・総選挙ムードの高まりを報じ続けていた先週木曜日(11月13日)、日本経済新聞は朝刊1面トップで、『原発40年超え運転』の大見出しを付けて「関西電力は運転開始から39年以上たつ高浜原子力発電所1、2号機(福井県)の運転を20年程度延ばす方針を固めた。年末に特別点検を行い、来春にも原子力規制委員会に運転延長を申請する」と報じた。

運転の開始から39年の歳月を経た“老朽原発”は、全国に7基ある。別表を参照してほしい。その7基とは、右端に並ぶ日本原子力発電・敦賀1号機、関西電力・美浜1、2号機、同・高浜1、2号機、中国電力・島根1号機、九州電力・玄海1号基だ。
原発の運転は原則として、開始から40年に制限されている。例外的に最大20年まで延長が可能だが、その場合は原子力規制委員会の新規制基準に加えて、より厳しい特別点検にも適合する必要がある。

特別検査に適合するためには、「古い原発ほど燃え易い材質のものを使っている」と言われている電気のケーブルの交換などが必要で、膨大なコストがかかる。このため、一般論としては老朽化した原発の再稼働は難しいことになっている。

そうした中で延長を目指す動きが報じられたのは、今回の関西電力の高浜1、2号機が初めてだ。同じ関西電力でも、運転開始からの経過期間がより長く、発電の出力が1、2号機の2機合計で84万kW(高浜は1、2機合計で166万kW)と小さい美浜は改修コストをかけると採算が合わず廃炉が避けられないとみられている。

当の関西電力の八木誠社長(電気事業者連合会会長)は14日の記者会見で、美浜、高浜両原発の扱いを問われ、「どう対応するか検討している」「できるだけ早く方針を出したい」と述べるにとどめた。とはいえ、高浜の2基の運転延長については「ワンオブゼム(複数選択肢の一つ)」と意欲をのぞかせたという。

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