経済の死角

森川富昭・村上憲郎・Tehuが語るデータサイエンスの未来~なぜ、日本企業は"今ある情報"をお金に変えられないのか?

2014年11月20日(木)
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Tehu氏、森川富昭氏、村上憲郎氏

ビッグデータ、データサイエンス、ディープラーニング……最近のビジネスシーンで引き合いにされるキーワードの多くはIT、データに関連したものが目立つ。しかし実際の職場を見ていると、膨大な紙のアンケート用紙を集計しているスタッフの姿は変わらない。どうして日本企業におけるビックデータの活用は進まないのだろうか。

この点に危機意識を持った慶應義塾大学 政策・メディア研究科准教授 森川富昭氏は、データサイエンティストとして成長していくあるビジネスマンの姿を通じ、ビッグデータとの向き合い方の基本を描いた『ビジネスを動かす情報の錬金術』(クロスメディア・パブリッシング)を上梓した。

今回、森川氏のもとに、元グーグル米国本社副社長兼グーグル日本法人代表取締役社長の村上 憲郎氏、そして高校時代から「天才クリエイター」と呼ばれ、現在慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC)に通うTehu氏が集い、「データサイエンスの未来」をテーマに鼎談を行った。森川氏のアカデミアからの視点、村上氏の実務家としての実感、さらに二人とはまったく違う世代に生きるTehu氏の視点から、日本企業のデータ活用の今とこれからを考察する。(文・森旭彦)

ビッグデータ×ディープラーニングが可能にする次世代のマーケティング

森川 私はビジネスにおいて、顧客データなどを積極的に利活用することを、教育者として伝え、推進しています。世界に目を向けた時、今やデータを活かしてビジネスを組み立てていくことは当たり前になりつつあり、ビジネスパーソンはデータサイエンティストとしての素養を身につける必要があります。今日はこれからの日本のビジネスシーンは、どのようにデータと向き合っていけばいいのかについてお話できればと思います。

村上 まず「ビッグデータ」では、既存のデータベースの上にあるデータを、ビッグでなくて、スモールであっても、いかにうまく扱うかが大切だと私は思います。つまり、適切な統計処理を行ってビジネスに活かすということです。これを、私は、ビッグデータ1.0と呼んでいます。

次に大切なのは、いよいよ、データの量が、ビッグと呼んでも良いサイズになってきたら、Hadoopといった、ビッグなデータを効率よく処理する手法を使うことです。この段階を、私は、ビッグデータ1.5と呼んでいます。しかし、最も大切なのは、その次の段階である、「ディープラーニング」、最先端のAI技術である、ニューラルネットワーク技術の活用です。私が、ビッグデータ2.0と呼んでいる段階です。この二つの段階をいかにクリアしていけるかが、データを使った錬金術のキモだと思います。

森川 ディープラーニングでは今、人の「振る舞い」のデータをいかに取っていくかが世界では注目されていますね。

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