高橋洋一「ニュースの深層」
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解散総選挙「大義なし」と批判する資格がマスコミや民主党にあるのか

2014年11月17日(月) 高橋 洋一
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メディアや野党から、衆院解散の大義がないという批判が上がっている。そうした批判は、総選挙を止めてくれと懇願しているわけで、あたふたしている証なのだが、実際野党は方針大転換などで大混乱だ。

マスコミから解散に大義がないという批判が出てくるとは、これからのマスコミは民意を聞かないという暴論であり、マスコミの存在こそ大義がなくなってしまうのではないかと心配である。

朝日新聞「政治と増税―解散に大義はあるか」(11月12日)、毎日新聞「早期解散論 その発想はあざとい」(同)、読売新聞「衆院解散検討 課題を掲げて信任を求めよ」(同)、日経新聞「消費再増税をここで延期していいのか」(同)、産経新聞「消費増税と総選挙 先送りなら時期の明示を アベノミクスの審判を仰げ」(11月13日)、東京新聞「衆院解散を検討 「安倍政治」こそ争点だ」(同)

というのが各紙社説の見出しだ。

左派系の朝日、毎日、東京が解散に大義なしと言うのは、安倍嫌いの「お約束」だろう。安倍政権打破のチャンスなのにもったいないことだ。どちらかというと右系の読売、日経、産経でも解散に賛成というほどでもない。日経は消費再増税に反対というスタンスであり、産経では軽減税率をやるべきと書いている。産経は正直なので、新聞業界が実は軽減税率のために消費再増税に賛成しているのを暗に語っている。

左派系新聞の場合、自分たちのための軽減税率をすっ飛ばす、消費再増税に反対の上に、安倍政権のやることが気にならないというダブルパンチというわけだ。まあ、軽減税率はよっぽどタブーなのだろう。マスコミは、自分たちの利益になる軽減税率のアメを財務省からのまされて消費再増税に賛成してきたわけだが、その経緯にはまったくダンマリで、解散を大義なしと言う資格があるのだろうか。

マスコミ、民主党、増税派エコノミストの節操なさ

そもそも、解散しないなら消費増税になる。前の総選挙で消費増税10%まで国民から信任されたと思っている国会議員が過半以上であり、彼らは消費増税を止める法案に賛成しない。しかし、安倍首相はそれを国民の民意でないと思っている。そこで、解散して衆院議員をすべて解職すれば、新たに当選した議員は民意を反映するはずだ。解散に大義がないというマスコミは、こうした民意をくみ取ろうとすることを否定することになる。

民意を問わないという考え方はかなり危険だ。直接民意を聞かずとも、間接的に今の国会議員に聞けばいいのか、それも違う。これまでの消費増税の経緯をみてもわかるが、民主党へ政権交代のとき、公約に消費増税はなかった。しかし、財務省は不慣れな民主党議員を巧みに籠絡して、消費増税法を成立させた。財務省は間接民主主義のもろさを知悉し、それをうまく利用したのだ。

はっきりいえば。解散するなといえば消費増税で決まりだが、解散は消費増税の是非を国民に委ねている。どっちがフェアかといえば、後者である。解散しても増税先送りが決まりというわけではない。増税したい人は、正々堂々と増税を訴えればいい。

民主党からは、消費増税延期なのだから、解散しなくてもいいというちょっと間抜けな意見も出てきた。維新の党、みんなの党、生活の党はすでに消費増税凍結法案を提出しているから一応筋が通っているからいいとして、民主党はそうした法案を出していない。

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