中国
中国を中心としたアジアを再構築する---習近平主席がAPEC前半で見せた気骨と気迫
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まさに先週は、習近平「皇帝」の独演会だった。日本では、10日に行われた安倍晋三首相との「不愉快な25分会談」だけがクローズアップされていたが、習近平主席にとって、安倍首相との会談は、自らが「習近平外交」を描く巨大なキャンバスの中にある一点の「小さな傷」のようなものだ。日本人にとって甚だ不快ではあるが、事実は事実である。

APEC期間中、近平主席は、ざっと次のようなスケジュールをこなした。

11月7日: タジキスタンのラフモン大統領、カンボジアのフンセン首相と会談

11月8日: ミャンマーのテインセイン大統領、バングラデシュのハーミド大統領、ラオスのチュンマリー主席、パキスタンのシャリフ首相、モンゴルのエルベクトルジ大統領と会談。相互パートナーシップ強化対話会議、並びに演説

11月9日: APECビジネスリーダーサミットの開幕式に参加し、講演。インドネシアのジョコウイ大統領、香港特別行政区の梁振英長官、台湾両岸共同市場基金会の簫万長名誉会長、カナダのハーパー首相、タイのバーユ首相、シンガポールのリーシェンロン首相、ロシアのプーチン大統領との会談

11月10日: マレーシアのナジブ首相、韓国の朴槿恵大統領、ベトナムのジャンシェンチュアン主席、ブルネイのハサンナスルタン、日本の安倍晋三首相、パプアニューギニアのオニール首相と会談。APEC首脳及びビジネスカウンセル理事会代表との対話会。APEC首脳及びビジネスリーダーたち及び配偶者の歓迎式典。「水立方」で晩餐会、演説。

11月11日: 午前9時半から午後4時までAPEC第22回サミット。記念講演。代表たちと「アジア太平洋パートナーシップの林」で植樹。フィリピンのアキノ大統領と短時間の懇談。「北京綱領」と「25周年声明」の発表。APECサミット閉幕の祝辞。内外との記者会見。オバマ大統領と中南海で会談

11月12日: オバマ大統領と人民大会堂で米中首脳会談

11月13日: メキシコのペニア大統領と会談

以下、もう少し詳細に振り返ってみよう。

タジキスタンのラフモン大統領と 〔PHOTO〕gettyimages

「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海上シルクロード」

【11月7日】
「習近平のAPEC」は、人民大会堂で開かれたタジキスタンのラフモン大統領との首脳会談で幕を開けた。

習近平: 「あなたと会うのは、私が9月にタジキスタンを訪問して以来だ。私が提唱している『シルクロード経済ベルト』を共に推進していこうではないか。両国で進めているエネルギー、交通インフラ、農業分野での提携も、推進させたい」

ラフモン: 「まったくその通りだ。習近平主席が提唱している『シルクロード経済ベルト』については、積極的に参加したい。中央アジアと中国を結ぶ天然ガスのパイプラインD線を、予定された期日のうちに完成させて、両国の提携の模範としたい」

陪席したのは、王滬寧・党中央政策研究室主任、栗戦書・党中央弁公庁主任、楊潔篪・外交担当中央委員(前外相)の「側近3人組」らである。この3人組はこの後も、習近平主席が出席するほとんどの場所に陪席した。

習近平主席は続いて、カンボジアのフンセン首相との首脳会談に臨んだ。

習近平: 「中国とカンボジアは、気心の知れたパートナーであり運命共同体だ。中国はフンセン政権のカンボジアにおける諸政策を支持するし、バックアップする。具体的には、農業、水力発電、経済特区、教育、医療、電信、観光などの分野で提携を強化し、『シルクロード経済ベルト』と『21世紀海上シルクロード』の建設を共に進めていこうではないか」

フンセン: 「カンボジアは過去も現在も、中国の国家主権と領土の保全を支持している。両国の与党・政府・軍隊・地方政府・民間企業など、すべては友人だ。一日も早く習近平主席の国賓としての訪問を実現してほしい。

習近平主席が提唱している『シルクロード経済ベルト』と『21世紀海上シルクロード』には全面的に賛同し、参画したい。この『一帯一路』建設を通じて、カンボジアのインフラ整備と経済発展、地区の平和と安定が実現することを願っている」

カンボジアのフンセン首相と 〔PHOTO〕gettyimages
ミャンマーのテインセイン大統領と 〔PHOTO〕gettyimages
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